内容説明
本書は、独立後の数十年の時期を対象に、アジア諸国において政治権力者が民主主義をどう理解し、体制・制度のなかに位置づけてきたか、いってみれば、「権力者の民主主義観」に分析視点をおくものである。民主主義の切り口からするアジア諸国の政治構造と動態分析の書という性格ももっている。
目次
第1章 アジア民主主義論―政治権力者の民主主義観をめぐって
第2章 朝鮮半島―南北の民主主義論と統一案
第3章 中国―「新民主主義」「大民主」「改革民主主義」の展開
第4章 フィリピン―「寡頭支配の民主主義」その形成と変容
第5章 インドネシア―「パンチャシラ民主主義」の論理とその起源
第6章 マレーシア・シンガポール―イギリス型から開発型民主主義へ
第7章 インド―国民会議派体制の崩壊と多党制への移行
第8章 バングラデシュ―軍人政権による民主主義
第9章 民主主義論の潮流―ダールのポリアーキーモデルを中心に