水辺環境の保全―生物群集の視点から

水辺環境の保全―生物群集の視点から

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  • サイズ B5判/ページ数 220p/高さ 26cm
  • 商品コード 9784254101546
  • NDC分類 468.4
  • Cコード C3040

出版社内容情報

野外生態学者13名が結集し,保全・復元すべき環境に生息する生物群集の生息基盤(生息できる理由)を詳述。〔内容〕河川(水生昆虫・魚類・鳥類)/水田・用水路(二枚貝・サギ・トンボ・水生昆虫・カエル・魚類)/ため池(トンボ・植物)

【目次】
1. ため池の植物群落-その成り立ちと保全
 1.1 生き物たちの生活場所としてのため池の重要性
 1.2 ため池の分類と植物群落
 1.3 ため池のおける植物群落の多様性
 1.4 ため池の環境と植物の生態的特性
 1.5 ため池の水生植物の現状
 1.6 水生植物群落消滅の原因
 1.7 保全の課題
2. ため池のトンボ群集
 2.1 日本のトンボ相とため池
 2.2 ため池の多様性とトンボ相
 2.3 都市化に伴うため池のトンボ相の変化
 2.4 トンボが棲む水辺環境の創造と保全のために 
3. サギが警告する田んぼの危機
 3.1 サギ類の環境利用
 3.2 日本の田んぼ
 3.3 圃場整備がサギに与える影響
 3.4生物多様性に配慮した農業へ
4. 水田耕作に依存するカエル類群集
 4.1 水田で繁殖するカエル類の生活史と棲み場所
 4.2 両生類の繁殖水域としての水田の利点
 4.3 水田耕作がカエル類の産卵時期に与えた影響
 4.4 農村生態系の空間構造とカエル類群集
 4.5 都市化と水田の変貌による両生類の衰退
 4.6 生態系における両生類の位置とその保全
5. 水田・農業水路の魚類群集
 5.1 魚類の生息場所としての水田地帯
 5.2 水田と農業水路を利用する魚類相
 5.3 魚類による水田と農業水路の利用様式
 5.4 水田整備事業の魚類への影響
 5.5 水田地帯の魚類群集の維持機構と保全
6. 用水路の淡水二枚貝群集
 6.1 農業用水域に生息する淡水貝類
 6.2 生活用水路の二枚貝
 6.3 淡水貝類の分布の拡大
 6.4 二枚貝と魚たち
 6.5 脅かされる淡水貝類の生息基盤
 6.6 新たな生息場所の創出
7. 水田のトンボ群集
 7.1 水田を利用するトンボ
 7.2 トンボの生息場所としての水田の特性
 7.3 水田に生息するトンボの生活史の特性
 7.4 水田を利用するトンボの生活史戦略的特徴
 7.5 水田をとりまく環境の変化をトンボ群集への影響
 7.6 「赤とんぼ」の歌を唄い続けるために
8. 水田周辺の人為水系における水生昆虫の生活
 8.1 水田および周囲の人為水系
 8.2 ため池の水生昆虫
 8.3 水路の水生昆虫-ホタル類を例に
 8.4 水田系環境での昆虫と人間の暮らし
9. 水田における生物多様性とその修復
 9.1 水田のアグロエコロジー研究の流れ
 9.2 水田の生物多様性-水田に何種の生物種が生活を委ねているか?
 9.3 水田の歴史と, 水辺生態系としての特徴
 9.4 水田における生物群集のコロナイゼーション
 9.5 集約的な近代水田農業技術と生物群集
 9.6 生物群集修復のためのストラテジー――2つの空間レベルの環境修復
 9.7 「タガメ」が「田がめ」に戻る日-水辺環境としての水田とヒトとの関係の修復
10. 河川の鳥類群集
 10.1 河川と鳥
 10.2 河川で見られる鳥類の種数
 10.3 生活型と河川への出現
 10.4 生息場所のモザイクとしての河川
 10.5 河川の鳥の風景
 10.6 河川で繁殖する鳥類
 10.7 河川の鳥類群集
 10.8 河川の鳥類群集の保全
11. 河川の魚類群集
 11.1 魚類群集の特徴
 11.2 魚類群集の原風景
 11.3 生息場所の生成と障害物
 11.4 上流域の群集
 11.5 中流域の群集
 11.6 下流域の群集
 11.7 再創造に向けて
12. 河川の底生動物群集――水生昆虫を中心に
 12.1 河川の環境問題
 12.2 河川底生動物の生息場所
 12.3 河川の生息場所―― 特異性と普遍性
 12.4 生物群集の成立と維持――河川の特性
 12.5 生物群集の多様性
13. 索   引  

【編集者】
江 崎 保 男, 田 中 哲 夫
【著者】
上 田 哲 行, 江 崎 保 男
角 野 康 郎, 片 野   修
近 藤 高 貴, 谷 田 一 三
田 中 哲 夫, 長谷川 雅 美
日 鷹 一 雅, 日 比 伸 子
藤 岡 正 博, 山 本 知 巳
遊 麿 正 秀

内容説明

本書は、河川・ため池・水田およびこれらの間に張り巡らされた水路網といった身近な水辺の自然とその改変について、生態学者の立場から述べたものである。水辺にはどれくらい多様な生物=生物群集が生息するのか、これらの生物群集がそこに生息できる、あるいは改変によって生息できなくなる理由やしくみはどのようなものか、これらの理由やしくみから考えて水辺の環境保全はいかにあるべきか、といったことが書かれている。

目次

1 ため池の植物群落―その成り立ちと保全
2 ため池のトンボ群集
3 サギが警告する田んぼの危機
4 水田耕作に依存するカエル類群集
5 水田・農業水路の魚類群集
6 用水路の淡水二枚貝群集
7 水田のトンボ群集
8 水田周辺の人為水系における水生昆虫の生活
9 水田における生物多様性とその修復
10 河川の鳥類群集
11 河川の魚類群集
12 河川の底生動物群集―水生昆虫を中心に