内容説明
賭博場に似た熱気とともに歯切れよい英語が飛びかってオークションが進行している。「次は…」黒漆に金で鳥獣、唐草、花雲を散らした鞘と把頭・鐺には碧瑠璃や緑瑠璃が嵌まった刀剣だった。おそらく隋唐の皇帝の佩刀であろう。激しい競りのあと、遂にそれを手にしたのは若き香港富王ビンセント・青だった。小切手を切りロールスロイスに乗ると、ビクトリアピークの斜面を滑昇してゆく。「あのときは、まだこれも輝いて…」古剣の感触を確かめるビンセントの意識は、千四百年の歴史を遡りはじめた。戦乱の隋唐に翔く傑作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
絵美
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【ビンセント・青がオークションハウスで落札した隋代の古剣。それがまだ輝いていた時代……1400年前の黄龍と四聖獣へと想いを馳せる。】今回は番外編的なお話。かつての黄龍や青龍が佩刀していた刀を前に、ビンセントが回想を…といった形。 秋生のように平凡(←ごめんよ)な人生を歩もうとする時代もあれば、李密のように上へ上へと昇り詰めようとする時もあり。守護する側は正体を隠しながらだから大変ね。……まぁ、“夢”は色んなパターンがあった方が面白いから仕方ない…か?2014/03/17
浅葉
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所有
末森咲夜
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【S図書館蔵書】2000/03/16