文春文庫<br> 過去を運ぶ足

文春文庫
過去を運ぶ足

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  • サイズ 文庫判/ページ数 326p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167278014
  • NDC分類 913.6

出版社内容情報

女房の親父を納棺するときに見た足のかたちは私の死んだ弟のものとそっくりだった。ということは私と女房は!しかも女房は妊娠中!表題作ほかブラックでこわァい短篇推理十四篇。解・武蔵野次郎

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

優希

52
ブラックユーモアではなく、ミステリーな阿刀田さんでした。15編全てで人が死ぬというのがどうも苦手です。2021/05/15

KAZOO

35
星さんみたいな短篇があったり、阿刀田さんお得意の男女間の話があったりで結構いろいろ取り混ぜている感じがしました。後年テーマを定めて同じ雑誌に連載されているのと異なり掲載雑誌も様々です。15編の短篇ですが、私は表題作が比較的興味を持ちました。2015/02/28

キー

10
様々な出版社の雑誌に、1972~1977年に発表された作品が15編収められた、阿刀田高氏の第2短編集。 全体的に、阿刀田高作品らしいブラックな味わいがやや薄い気がしますが、解説の武蔵野次郎氏によると、第1短編集『冷蔵庫より愛をこめて』のほうにブラックな味わいが濃い作品が収録されているそう。 こちらはブラックな味わいが全く無いものもあったりと、雰囲気もテーマもまちまち、寄せ集め感がありますが、発表誌が同じでも雰囲気が違っていたり、発表年に差があっても雰囲気が似ていたり、と、比べて読むと楽しいです。2019/07/10

MIKETOM

9
15編全てで人が死んでいる。殺人もあれば事故死、病死もあるけれど、そういう本。表題作『過去を運ぶ足』がよかった。あまりにもむご過ぎる運命の交錯。子を授かったと告げる若妻の美しすぎる顔とそれを告げられた夫の心境。惨いねえ。『死亡診断書』途中までの夫の告白がリアルなので惹きつけられる。しかし終盤に夫が言う。「実は今の話、みんな嘘なんだ」え?ここまで読んで全てチャラ?と驚くが、次の瞬間のどんでん返しが強烈。順子の脳裏に転げるように走る女の姿が浮かぶのも当然。うまい。阿刀田の二冊目の短編集。初期は名作揃いだった。2019/10/08

eri

8
古本で見つけた初読み作家さん。推理小説が15篇となっていましたが、ブラックでミステリーな内容の短編集。登場人物達がみんな人殺しの計画を立てていて、その悪い顔が浮かぶほど。そうではない人達も、悪い物を見てしまったという呆然とした顔が…。昭和の色も出ていて、作中に大洋という野球の球団が!私もなんとなく覚えているだけで。でもその感じさせる時代を含めて面白かったです。2022/05/05

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