文春文庫<br> 私本・源氏物語

文春文庫
私本・源氏物語

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  • サイズ 文庫判/ページ数 270p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167153243
  • NDC分類 913.6

出版社内容情報

父は帝、舅は左大臣という恵まれた一族の星「ウチの大将」こと光源氏を、従者の目で描いた長篇。古典がこれほどまでに面白く解釈され、物語化された小説も少ない

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

がらくたどん

54
田辺聖子さんには『新源氏物語』という源氏物語の実に真っ当で素晴らしい翻案本がある。それを差し置いてコチラを思い出した自分を赦してほしい。田辺源氏の「じゃない方」。光の君の下級家来小舎人の伴男の視点で描く「ウチの大将」のワガママだけど微妙にしんどいハイスペック「スイスイ人」(伊坂幸太郎の『777』を読んでいて思い出したので引用ご容赦)人生。全編お聖さんらしい西の言葉。なんたって「ああ、何ぞおもろいことないか、どこぞにピッタリくる女はおらへんやろか」と茹でたて卵みたいな顔で呟いたりするのだから。絶品二次創作♪2024/02/10

せんむ

19
パロディと言ってしまえば、軽く聞こえるかもしれないけど、光の君の(架空の?)従者、伴男から見た関西弁の「源氏物語」。従者には牛車の中から「腹が減ったから食いもん探してこい!」とわがままを言ったり、雷を怖がって泣いたり、六条や三条に責め立てられてオロオロしたり、何とも可愛い(笑)当世随一の色男と言われた男前は、実は貴男だったり、私や貴女の身近にいるのかもね。2015/03/07

虫尾 

7
わははは。 もうね、「源氏物語」は解釈本とかじゃなくて、これ読んでおけばいいと思うよ。 随分昔に一回読んだ本だけど、改めて読めば更なる発見があったりして。 これ単体でも楽しめるけど、日本人ならなんとなく知ってるあれやこれやのエピソードが、こうも捻ってあると(以下略)2010/07/20

しの

2
かの有名な源氏物語に登場はしないけど、確実にいるだろってモブが語り手の二次創作小説。 鯱張らずに気楽に読める源氏物語。 そして、光の君を愛らしく憎らしくコイツはも〜!!とも思う(いや、原作から思うところはあれど、改めて)。 あ、カッコ良い男は出てきません、悪しからず。2022/02/16

Chie Okumura

2
出典は源氏物語の前半部分の数巻だが、本文に「ロミオとジュリエットみたいや」など現代に通ずる表現があったり、コメディのような「フナズシの和歌」のくだりなどテンポが良く、おもしろい。かなりくだけた表現や行動を描写しつつ、ベースは源氏物語の背景をおさえており、バランスが取れた作品。 良く海外の知人に日本人は、オリジナルから加工して「オリジナル」にするのがめちゃくちゃ上手いといわれるが平安時代からも漢詩を引用しつつ、というオリジナルの加工が田辺聖子さんにおいても別の形で継承されていると感じた。2017/07/18

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