出版社内容情報
坂本竜馬の恋人で千葉道場の娘・さな子は晩年、炙の療治を生業としていた…など、小説で書き残したかずかずの話を歴史小説の大家が語る滋味あふれるエッセイ集
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ナハチガル
22
おもしろい。タイトルどおり余話なのだが、というか、だからこそというべきか、いつまでも読んでいられる。広く、深く、時代も場所もさまざまな二十篇近い余話が、一定以上のクオリティで語られる。このような芸当ができる作家は、これから出てくるのだろうか。まあ司馬さんの未読の本を読むだけでも私の余生では足りなさそうではあるけれど。日本の独特な権力構造、生祠や男色といった風習、武士の言葉や方言など、どの切り口からでも楽しめる。霍去病と芹沢鴨の名前についての話は、私も気になっていたので、とくに興味深かった。A+。2018/01/03
時代
18
うん。確かに余話ですね。それがとてもいいんですよ。無数の無駄ばなしからあれらの小説が生まれるのですから。文化とは、無駄話のことです。なるほど◯2016/12/27
RED FOX
18
司馬サンのエッセイは大作の読書の脱力後になぜか手にとってしまいます。これはエッセイじゃないけど佳い小品がいっぱい入ってて好奇心が復活し思考がほぐされていくので手放せません(>_<)2015/10/10
なつきネコ
17
司馬さんはおもしろいな。タイガーモリの話から、霍去病の話へと広がる司馬ワールド。資料を莫大に調べるからこそ書き足りない事が出てくるんだな。森寅雄の死は武術家としては最高の死に方かもしれないなと思ってしまった。しかし、司馬さんの仙石権兵衛嫌いはスゴイ。あの権兵衛がよく大名になれた一文から始まるあたりに。たしかに戸次川の戦いはフォローのしようがない。鳴る陣羽織の記述もおもしろい。太平記読みの話は現在でもあたっている。右翼や左翼の史観が入りすぎる。そのせいで南北朝時代の良さが伝わらなくなったな。2019/10/17
aponchan
16
司馬遼太郎氏の作品乱読のうちの一冊。題名のとおり、氏の小説の主人公周辺の話などが収められていて、読んだことのある話の理解を深めてくれた。引き続き、氏の作品を読んでいこうと思う。2020/03/29