内容説明
「学問の神さま」菅原道真。最後は大宰府に流される悲劇の生涯はよく知られている。しかし、道真は偉大な文人であったばかりでなく、政治家、それも右大臣という要職にあったのだ。では政治家道真は何をしたのか、となるとほとんど知られていない。というよりその痕跡が消されている…。実は道真は、財政危機に悩む律令日本を変革しようと企てていた。左遷されたのも、死後、天神になったのも、それに由来する。まったく新しい視点の道真論。
目次
序章 新しい道真論を
第1章 前半生の素描―讃岐守として転出するまで
第2章 地方官としてみた政治と社会
第3章 政治家道真の登場
第4章 王朝国家の構想固まる
第5章 政界追放
第6章 王朝国家の成立
終章 道真、神となる