文春新書
消された政治家・菅原道真

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  • サイズ 新書判/ページ数 246p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784166601158
  • NDC分類 289.1
  • Cコード C0223

内容説明

「学問の神さま」菅原道真。最後は大宰府に流される悲劇の生涯はよく知られている。しかし、道真は偉大な文人であったばかりでなく、政治家、それも右大臣という要職にあったのだ。では政治家道真は何をしたのか、となるとほとんど知られていない。というよりその痕跡が消されている…。実は道真は、財政危機に悩む律令日本を変革しようと企てていた。左遷されたのも、死後、天神になったのも、それに由来する。まったく新しい視点の道真論。

目次

序章 新しい道真論を
第1章 前半生の素描―讃岐守として転出するまで
第2章 地方官としてみた政治と社会
第3章 政治家道真の登場
第4章 王朝国家の構想固まる
第5章 政界追放
第6章 王朝国家の成立
終章 道真、神となる

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

isao_key

9
学問の神様として崇められている平安時代の学者、詩人、政治家であった菅原道真。本書では政治家の面にスポットを当てて、道真の目指した国家改革について検討する。律令政治や租税制について聞きなれない用語が多く理解に困難な箇所もある。内容的には新書のレベルを超えた学術的な専門書に達している。道真が実施した政策で重要だと思われるのは、唐から受け入れた律令制を墨守せず、日本の現状に合った律令制に改めるとこを決断したこと。ここから遣唐使の任命と派遣の停止とにつながる。また奴婢を解放し、家人に昇格させたことも特筆される。2013/04/16

くわずいも

2
タイトル買いの斜め読み。日本史好きにはいい本。いつの時代も誠実で真面目な人ほど罪をでっち上げられて失脚させられるのね…2015/12/24

しいかあ

1
租庸調制度のところは著者も言ってるとおり専門用語頻出で完全には理解できなかった。政治家道真がやろうとしていたことを通して、その人格が鮮明に浮き彫りにされていて、道真に対する見方が変わった。平安貴族って遊んでばっかりだと思ってたけど、ちゃんと働いてたんだ! 最後のほうの注に、平将門が反乱を起こした遠因は、道真の政治改革による王朝国家の成立によってこれまでの富豪層が没落したから、とか書いてあったけど、だとすると、日本最強とも言われる将門の怨霊をつくりだしたのも道真の祟りということに……ならないか?2011/07/15

i-miya

1
1936 熊本市生まれ はじめに 18歳、 式部省合格 大学寮で紀伝(文学、歴史)を学ぶ文章生(定員20人)23歳、文章得業生 (定員2名) 26歳、方略試の論文試験合格 漢詩学者となる 讃岐守地方転出 その後、中央政界 政治家 藤原おさえうる蔵人頭 (天皇秘書長官) 宇多天皇の信任 右大臣に時平にうとまれ讒言 醍醐退位を計画として 斉世親王 (天皇の弟、道真娘婿) 2年で59歳の死 あとがき 400年の歴史平安 妻子への思い語らぬ 彼の漢詩 遣唐使停止のほかわからない2008/09/19

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