ファーストラヴ

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  • サイズ 46判/ページ数 299p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163908410
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

多摩川沿いで血まみれの女子大生が逮捕された。彼女を凶行に駆り立てたものは何か? 裁判を通じて明らかにされる家族の秘密とは?夏の日の夕方、多摩川沿いを血まみれで歩いていた女子大生・聖山環菜が逮捕された。彼女は父親の勤務先である美術学校に立ち寄り、あらかじめ購入していた包丁で父親を刺殺した。環菜は就職活動の最中で、その面接の帰りに凶行に及んだのだった。環菜の美貌も相まって、この事件はマスコミで大きく取り上げられた。なぜ彼女は父親を殺さなければならなかったのか?

臨床心理士の真壁由紀は、この事件を題材としたノンフィクションの執筆を依頼され、環菜やその周辺の人々と面会を重ねることになる。そこから浮かび上がってくる、環菜の過去とは? 「家族」という名の迷宮を描く傑作長篇。

島本 理生[シマモト リオ]
著・文・その他

内容説明

なぜ娘は父親を殺さなければならなかったのか?多摩川沿いで血まみれの女子大生が逮捕された。彼女を凶行に駆り立てたものは何か?裁判を通じて明らかにされる家族の秘密とは?

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

starbro

1076
島本理生は、新作中心に読んでいる作家です。7/18の直木賞発表前に漸く読めました。第159回候補作(5作目/6)、残念ながら『傍流の記者』のみ受賞作発表後に読みます。6/18の直木賞予想時点は未読のため本書は【穴】の評価でしたが、 https://bookmeter.com/mutters/172228360 読了後は『未来』よりも個人的な評価は高く、受賞の可能性も十分あると思います。もしかしたらファーストラヴ の対象は血の繋がっていない父親ではないでしょうか?芥川龍之介の『藪の中』を少し想い出しました。2018/07/15

ウッディ

951
父親殺しの罪で逮捕された女子アナ志望の女子大生環菜。臨床心理士の由紀と弁護士の迦葉は、それぞれの立場で彼女の過去を調べる。事件の真相と理由とは?表面的には義理の姉弟という由紀と迦葉の関係、環菜の自己否定など違和感は全ての真実が明らかにされる中で解消し、島本さんには珍しい法廷シーンも読み応えがあり、直木賞に値する内容でしたが、最後までこのタイトルに違和感が残りました。初めての恋は幻想であり、真実の愛ではないというメッセージなのかなァ?環菜の両親の歪な心と由紀の夫である我聞さんの真っ当さが対照的でした。 2019/03/03

bunmei

920
直木賞受賞作品。ファーストラヴの響きが持つピュアな恋心とは裏腹な物語。環菜が父親殺害によって淘汰されたもの・・・それは幼少期からのあまりにも異常な生活環境中で、自分自身を保守するための究極の知恵であり、言動であったのかもしれない。幼き頃から父の理不尽な養育を含めて様々な男達の歪んだ性愛の視線に曝されてきた事から、自分の本当の心の居場所を探してきた環菜。そして唯一心を開くことができた最初の男との関係においても、自分を欺き続けてきた環菜。切ない環菜の心と共に、最後の判決はきっとこれで良かったんだと思います。 2018/07/17

パトラッシュ

896
読み終えて三つの疑問点が残った。第一に虐待された子の親も虐待を受けた可能性があるとは素人の私も聞いているが、主人公の臨床心理士は疑おうともしなかったこと。第二に主人公とその周囲の人間の多くが抱えるトラウマが、事件と対峙する中で有機的に結びついて解明されていく過程がないこと。第三に父親殺しの容疑者となった娘が、デッサン会で男たちの性的なまなざしに晒される嫌な経験から手首を切っているのに、もっと不特定多数の目で見られる女子アナ志望ということ。小説を仕立てるための都合が優先された、矛盾だらけの設定に感じられた。2019/10/07

うっちー

848
未来に続き、直木賞候補作読破。両者とも重ぐるしい2018/07/05

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