病気の日本近代史―幕末から平成まで

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  • サイズ B6判/ページ数 294p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163740508
  • NDC分類 490.21
  • Cコード C0095

出版社内容情報

「南京事件論争」でお馴染みの近現代史専攻の歴史家が病気に罹って目覚めた「医学の歴史」。日本人は「難病」といかに闘ってきたか

本書に登場する主要人物
(医者)シーボルト、ベルツ、スクリバ、華岡青洲、近藤次繁、森鴎外、高木兼寛、野口英世、青山胤通、北里柴三郎、斎藤茂吉、平山雄、森岡恭彦、大鐘稔彦・・・・・

(患者)明治天皇、和宮、秋山真之、夏目漱石、樋口一葉、島村抱月、松井須磨子、竹久夢二、堀辰雄、大岡昇平、太宰治、城山三郎、吉村昭、芦原将軍、大川周明・・・・・

目次
・第一章 黎明期の外科手術
盲腸炎―切るのか散らすか/本邦初の虫垂切除は?/華岡青洲の妻と母/乳がん手術の「近代化」突出した幕末の「名医」たち/主流になったドイツ留学/スクリバと近藤次繁

・第二章 脚気論争と森鴎外
明治天皇の脚気/脚気菌から栄養障害説まで/高木兼寛の脚気退治/軍医森鴎外の兵食論/「露国以上の大敵」と/麦飯論争の行く末/ビタミンBの発見

・第三章 伝染病との戦い
疫病神にとりつかれ/「あばた」も「えくぼ」?/あいつぐ細菌の発見/ペストから生還した青山と北里/ペストの本邦侵入事情/黄熱病と野口英世/忘れられたスペイン風邪/抱月・須磨子の純愛劇

・第四章 結核との長期戦
先史から明治まで/一葉・陸奥・子規・正子は/「不如帰」と「野麦峠」のヒロイン/富士見高原のユートピア/堀辰雄と「風立ちぬ」の世界/死因第一位から二十七位へ/戦後文人たちの闘病記

・第五章 戦病の大量死とマラリア
ミンドロ島の大岡昇平/日清・日露戦役の病跡/戦病の主役は?/中国戦線では/新顔の栄養失調症/南方戦場では/明暗を分けた日米マラリア戦/輸血とペニシリン

・第六章 狂聖たちの列伝
発狂した精神科医/精神医学の先駆者たち/芦原将軍の年代記/ひじりとぞ思ふ/精神病の輪郭と定義/漱石から大川周明まで/平沢貞偶と帝銀事件/狂犬病とコルサコフ症

・第七章 肺がんとタバコ
肺がん死が稀だった時代/肺がんの促進因子は/非喫煙者のガンが増えている/平山コホートの転変/ウィーン会議では物別れ/疑わしきは罰すWHO路線/次は酒かケイタイか?

1 主要な病気名、患者、死者の統計
2 病気と医療関連の諸情報
3 健康関連の基本的統計
4 主要なノーベル生理学医学受賞者

あとがき

内容説明

脚気菌を発見?精神科医が発狂?戦死より戦病死が多い?喫煙率が減ったのに肺ガン患者は増加…?そんなバカな事があっていいのか!歴史学(近現代史)の泰斗が医学史に挑戦。日本人は「難病」といかに闘ってきたか。

目次

第1章 黎明期の外科手術
第2章 脚気論争と森鴎外
第3章 伝染病との戦い
第4章 結核との長期戦
第5章 戦病の大量死とマラリア
第6章 狂聖たちの列伝
第7章 肺ガンとタバコ

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

金吾

26
○病気との関わりを歴史学者の観点から書いています。罹患した有名人の話などは病気のイメージを掴むのに良かったと思います。また脚気では有名ですが結核でも負のオーラを出している森鴎外に少しクスリとしました。「結核と長期戦」「戦病の大量死とマラリア」は興味深かったです。2022/10/24

CTC

12
11年文藝春社刊。秦郁彦さんは04年に盲腸の手術を受け、これをきっかけに“医学史”の面白さに嵌まり込んだという。私も…このテーマゆえに永らく積読していた本書を手にして、貪るように読むことになり驚いた。やはり人体ってのは身近だし、他のテクノロジー同様に軍事とも密接に関わっていて、興味の範疇に自然入ってくる訳だ。黎明期の外科手術、脚気と森鴎外、伝染病、結核、マラリア、精神病と章を割いて、終章のみタバコと肺ガンというややイデオロギー化したテーマを据えている。今年の読書ベスト1を読み終えてしまったかなぁ(苦笑)。2021/01/14

gtn

9
日本精神医学界の先駆者の一人でありながら、自らが脳を病み、殺人を犯してしまった石田昇教授。その教授を自分の専属の医官に任命した芦原将軍。精神荒廃した秀才と、永遠の妄想家がここで結びつく。奇妙な縁である。2019/01/14

Ryoichi Ito

7
「ナチスドイツは,権力で病的人間を排除する「健康ファシズム」国家をめざした。昨今のとどまるところを知らない健康志向の風潮は,国家機関や国家が個人の自己決定権を否認して介入を強めるという点で,ナチスの思考法に似ている…しかも,その過程で非同調分子への差別や迫害を当然とする空気が形成される」コロナを制圧するためには何をしても許されるという昨今の風潮への警告か。あとがきの「近代医学の最も輝かしい成果は感染症の撲滅にほぼ成功したことであろう」冗談も休み休みに言ってくれ。2020/10/08

Ryosuke Kojika

4
小学館新書の『病気の日本近代史〜幕末からコロナ禍まで〜』を読んだ。読書メーターって間違えて登録した本は消せないのかな?脚気、肺炎あたりの記述が興味深い。歴史家がコロナ禍をどう見るのか興味があり手に取った。が、教訓からの学びを示唆するような物ではなかったかな。状況的には脚気の状況と似てるような気がする。2021/03/18

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