ゲルマニウムの夜

ゲルマニウムの夜

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 251p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163180700
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

人を殺し、修道院兼教護院に逃げ戻った青年・朧。冒涜の限りを尽くすことこそ、現代では神に最も近く在る道なのか。戦慄の問題作

内容説明

人を殺し、育った修道院兼教護院に舞い戻った青年・朧。修道女を犯し、暴力の衝動に身を任せ、冒涜と倫理のはざまで揺れる日々。目指すは、僕の王国―世紀末の虚無の中、「神の子」は暴走する。第119回芥川賞受賞。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

151
1998年上半期芥川賞受賞作。著者の幾分かは自伝的な要素を持つ作品。聖と性を描くが、徹底性を欠くようにも思われる。禁忌を犯すこと、すなわち涜聖に逆説的な快感を求めるのは、サドをはじめとしたヨーロッパ文学のある種の伝統でもあるが、本書ではカトリシズムに重みがないために表層的なものに終わった感も否めない。随所に著者の強烈な個性の片鱗は窺えるが、この小説ではまだそれが十分に発揮されているとまではいかない。「王国の犬」にしても、カトリシズムは絶対を措定し得てはいないのであり、したがって素材の域を出ないのだ。 2014/03/17

遥かなる想い

96
第119回(1998年上半期)芥川賞受賞作。花村萬月のこの作品はエロスとバイオレンスの塊であり、 物語も「衝動的に殺人を犯した青年」が、自分が育った教護院に逃げ隠れ、修道女を犯し・・という展開で、正直全編に漂う暴力的な雰囲気に圧倒されていた。映画化もされ、評判となったが、私はあまり好きにはなれなかった。

🅼🆈½ ユニス™

68
極端な暴力とフェティシズムを通して神に対する人間の挑発を照明した作品だと私は理解しているけど、これって本当に芥川賞を獲った作品だよね?物凄いインパクトのある一冊だった。2021/02/07

Koichiro Minematsu

48
芥川作品という事で、今さら読みました。この時代に、この歳(53)になって、思ったのは、主人公が生きているとは、どういう事かを、未完な彼は殺人にしても、強姦にしても欲望が発するままに行動することでしか理解はできない。が、逃げ込むことになる社会、大人はそれらの世界でのあるべき姿で、悟らせようとすることで、人としての美しさを教示しようとするが、宗教の正解にも疑念がある。性と力は美しくない描写の世界でしか存在しえないとしか思考できない主人公の偏り感に絶句。2019/11/28

yumiha

37
5,6ページ読んだところで、芬々と撒き散らされる血の臭いに耐えられなくなり、本を閉じた。でも、思い直して読了した。過激すぎる暴力シーンもセックスシーンも、読者の劣情を喚起するためではなく、「聖」に対する「俗」なのではないか?と気づいたから読み進められた。「聖」を具現化する(と思い込んでいたが)カトリックの教護院も、本能に翻弄されている。また、世間の動物愛護も有機農法も、薄っぺらいぜと言われているような気もした。語り手の朧(ろう)の訓読みは「おぼろ」。つまりほのかで曖昧。教義ではなく、煩悩から神へ至る。2018/11/26

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/551813

ご注意
リンク先のウェブサイトは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」のページで、紀伊國屋書店のウェブサイトではなく、紀伊國屋書店の管理下にはないものです。
この告知で掲載しているウェブサイトのアドレスについては、当ページ作成時点のものです。ウェブサイトのアドレスについては廃止や変更されることがあります。
最新のアドレスについては、お客様ご自身でご確認ください。
リンク先のウェブサイトについては、「株式会社ブックウォーカー」にご確認ください。