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太陽の盾―タイムオデッセイ〈2〉

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  • サイズ B6判/ページ数 334p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784152089120
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

内容説明

2037年6月8日、国連平和維持軍のビセサは“断絶”と呼ばれる現象で、アフガニスタンの国境地帯からもうひとつの地球、ミールに移転させられてしまった。そこは、200万年にわたるさまざまな時代と土地がつぎはぎにされた世界だった。アレクサンドロス大王やチンギス・ハンが覇権を争うミールで5年にわたり苦闘したビセサは、なんとか故郷の地球に帰還する。ところが、戻ったのは、自分が失踪した翌日、6月9日のロンドンだった。その日、地球を史上最悪の大災害が襲った。突如、太陽が異常をきたし、太陽嵐を起こしたのだ。そのため、未曾有の磁気嵐にみまわれた地球では、あらゆる機器が壊滅的打撃をうけて大混乱となり、多数の死傷者が出た。だが、これはたんなる前触れにすぎなかった。月面にいる若き孤高の天文学者ユージーンは、さらに強大な太陽嵐が2042年4月に起こると予測した。それだけの規模の嵐になれば、地球上のあらゆる動植物はもちろんのこと、人類が生き延びることは不可能だ。そこで、科学者たちは前代未聞の大計画を企てた。宇宙空間に地球と同じ大きさの盾を設置し、太陽の巨大なエネルギーを防ごうというのだ。途方もない計画の実現に向け、科学者、宇宙飛行士が結集し、たった4年あまりで“太陽の盾”を完成させようとするが…英国SF界の新旧ふたりの巨匠、クラークとバクスターが、『2001年宇宙の旅』に始まる“宇宙の旅”シリーズを新たな角度から描く〈タイム・オデッセイ〉シリーズ、待望の第二弾。

著者等紹介

クラーク,アーサー・C.[クラーク,アーサーC.][Clarke,Arthur C.]
1917年、イギリスのマインヘッド生まれ。グラマー・スクール卒業後、ロンドンで会計監査の公務員となる。第二次大戦中は空軍に所属し、除隊後はキングズ・カレッジに入学、物理学と数学を専攻した。1945年、世界で初めて衛星通信のアイデアを発表、宇宙開発の推進に尽力するなど、科学者としての側面ももつ。1946年のデビュー以来、『幼年期の終り』『渇きの海』『海底牧場』などの名作を発表、1973年の『宇宙のランデヴー』と1979年の『楽園の泉』はヒューゴー・ネビュラ両賞を受賞した。『2001年宇宙の旅』に始まる《宇宙の旅》シリーズは、世界的ベストセラーとなった。2008年3月、スリランカで逝去

バクスター,スティーヴン[バクスター,スティーヴン][Baxter,Stephen]
1957年、イギリスのリヴァプール生まれ。ケンブリッジ大学とサウサンプトン大学で数学と工学を学ぶ。数学と物理学の教師をするかたわら、作家活動をつづけ、1995年から専業作家となった。1986年のデビュー以来、H・G・ウエルズの名作『タイム・マシン』の公式続篇で、英米独の4賞を受賞した『タイム・シップ』など、話題作をつぎつぎと発表している

中村融[ナカムラトオル]
1960年生、1984年中央大学法学部卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ぜんこう

19
『時の眼』の続編。原題「SUNSTORM」、つまり太陽嵐、それから地球を守るためにラグランジュポイントに作られる盾。 自分で驚いたけど、まさか生身の人間じゃなくAIのアテナが自己犠牲となる解決策を出してきて最期を向かえる場面に涙するとは思わなかった(T_T) 再び地球に危機がやってくる次巻『火星の挽歌』も近いうちに読みたいです。2018/10/13

roughfractus02

11
宇宙の管理者「ファーストボーン」は宇宙エネルギーを食い尽くす生命を駆除しようと、球体を地球上に浮かべている。が、その地球は200万年前から2037年までのパッチワークでできたシミュレーション「ミール」だった(前作『時の眼』参照)。そこに送られた主人公が地球に生還すると、ロンドンでは太陽フレアの影響で大混乱が起こり、5年後に地球を焼き尽くすようなフレアが起こるとの予測から物語が動き出す。月の開発やフレアの盾を作る過程に当時の工学知識を盛り込んだ本書だが、なぜ「ミール」が作られたのかという理由は明かされない。2023/10/02

SINKEN

7
【総評】★★★★★【感想】原題は『SUNSTORM』。邦題だとちょっと意味が変わって来ないかなコレ、、、まぁそれは置いといて、内容は文句無し。1作目の続きではあるけど、今度は宇宙が舞台。巨大な太陽嵐を前に、人類の叡智と人工知能も加えて、何とか地球を守ろうと手を尽くす。その解が邦題にある“盾”なのだけど、その発想がスゴイ。それにも増して、その太陽嵐を誘発させた原因ってのがまたなんとも驚嘆させられる。SFの醍醐味を垣間見た気がしますな。2018/01/06

赤い熊熊

7
2作目はビセサが近未来に帰ってきたところから開始。二千年前に太陽に撃ち込まれた木星型巨大惑星。二千年かけて顕在化する太陽の嵐によって地球が壊滅の危機に晒されるというお話。誰がそんな物騒なモン撃ちこんだんや⁉︎ってことで、例のファーストボーンが槍玉に上がります。尊い犠牲を重ねながら、辛くも太陽の嵐から地球が守られたところでお話が終わります。モノリス置いてった知的生命たちとの関わりはあるんだろうか?そもそもファーストボーン何者?っていうのは三作目を読まねばさっぱりです。2015/07/29

LongRide Taka

3
シリーズ二作目だが一作目を凌ぐ面白さ。これもアタリ。SF好きにはオススメできる。でも、それにしても後半にあった、人格を持ったコンピュータ、アテナとの別れ。とても悲しくもあり、でもとても素敵だった。2022/07/25

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