水辺で起きた大進化

水辺で起きた大進化

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 394p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784152082596
  • NDC分類 467.5
  • Cコード C0045

内容説明

かつて水辺では、“魚が海から陸へあがる”という進化史上の一大事件が起き、さらに陸にあがった生物のなかから、クジラのように水中生活へと戻っていくものが出現している。この2つの“大進化”がなぜ、どのようにして起こったのかという謎が、進化生物学者たちを長年にわたって悩ませてきた。しかし、近年の分子生物学などにおける長足の進歩が、状況を一新した。魚のひれが指のついた手へと変わっていった経緯や、クジラが何から進化したのかという類縁関係が最先端の研究によって解明され、驚くべき真相が明かされるにいたったのだ。気鋭の科学ジャーナリストが、進化学草創期のエピソードから、今日の研究現場の臨場感あふれるレポートまで、興味のつきないトピックをまじえて綴る、水辺をめぐる変身物語。古生物の在りし日の姿を再現したイラストも多数収録。

目次

序章 生命のねじれ
第1章 失われた化石を求めて
第2章 無限の空気中へ
第3章 手の作り方
第4章 ダーウィンの苗木
第5章 海に躍る
第6章 クジラの方程式
第7章 テチス海のほとり
第8章 歩行から遊泳へ
第9章 出航
第10章 大進化の道

この商品が入っている本棚

1 ~ 1件/全1件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

absinthe

195
刺激的な本だった。古生代と新生代の、水から陸に上がる話と、陸から水に戻る二つの劇的な進化をみせてくれる。今まで定説と信じていたことのいくつかが覆った。無論、この本の内容が将来覆される可能性だってあるが。1冊の本を深く読むのも大事だが、様々な読み比べも大切だと思い知らされた。2016/12/01

roughfractus02

7
遺伝子学から系統発生的に、解剖学や形態論から個体発生的に説明を試みる進化生物学の記述は、博物学以来の歴史も含みつつ仮説推量、演繹、帰納の推論の事例の宝庫だ。本書はこの広大な分野を、植物が登場してオゾン層が紫外線を遮り、水生生物が陸に上がる4億年前の水辺に焦点を当てる。植物、節足動物、肺魚が上陸し、両生類が生じる経緯はダイナミックな体構造の改変を必要とする。著者はこの改変に耐えて陸上生活を始める側と海に戻る側を2つの進化として描く。気密シリンダー的な体構造が、イルカもミミズも利用しているという指摘が面白い。2020/10/04

GASHOW

6
魚は、鰓からアンモニアと二酸化酸素を排出する。陸では鰓がペタッとはりついてそれが交換できないから窒息する。イルカは哺乳類で地上でも呼吸できるが、地上では内臓に押しつぶされるのと血が下にたまることで死ぬという。なぜそうなるかについては知らないことが多い。水辺といっても海水と淡水は浸透圧が違う。サメのように血液中にアンモニアをため込むものもある。水の中の哺乳類も一度陸にいたものが水にもどっていた。環境に適応するための進化はすごいね。2017/03/22

サメ社会学者Ricky

2
水中に住む魚が陸上へ、陸上に住む鯨の祖先が水中へ。水辺で起きた進化(というよりそれにまつわる説や論争)をまとめた本。どちらも興味のあるトピックだが、進化の歴史より、古生物学や進化生物学の歴史を紹介している。平易な文章で書かれているが、説Aを紹介した後に説Bがそれを否定する、みたいな流れを唱えた学者のエピソードも交えながら語るので、慣れない人が読むと「結局どれが正しいの?」みたいになりそう。前提知識をある程度身につけてから読むのをお勧めします。2020/09/29

ビリー

2
タイトルを見たときは『こんな本を待っていたー!』って感じで飛びついたけど、読んでみるとそれほどでもなかったかも。個人的にはもっと進化史を中心に話してほしかったが、本書はどちらかというと古生物学史といった印象が強い。進化とかってなかなか確実な証明ってのは難しいから、極力客観的に事実のみを記載していくと本書のような構成になるんだろう。重要な発見をした人の記録を残すというのももちろん大事だけど、ちょっと詰め込みすぎてブレてる感じ。分子系統学についてはかなり感情的だし、業界の人向けの記録と意見書なのかもしれない。2013/03/11

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/223941
  • ご注意事項