内容説明
田舎町ノリッジで暮らした著者が、長期滞在者の視点で、借家でのハプニングや不動産屋とのトラブル、住民の日本への意外な関心といった日常生活から、王室をめぐる出来事、ベッカム人気をはじめとするワールド・カップでの悲喜交々、イラク侵攻問題にみる“ヨーロッパの大国意識”など、激動の一年に英国の現在を見通す。ローカリズムとグローバリズムの狭間で、普通のイギリス人が何を考え、どう身を処しているのかを、柔らかい筆致で語ってゆく、随所にイギリスの言語・文化・歴史に造詣の深い著者ならではの解説がちりばめられた書き下ろしエッセー。自らの立つ位置を模索している日本人にとって、イギリスに見るべきところとは何か。
目次
第1章 ノリッジ―伝統的暮らしが息づく町
第2章 日本に向けるまなざし―研究所に集う人々
第3章 「ゴッド・セイヴ・ザ・クイーン」の氾濫
第4章 サッカーにおけるグローバリズムとローカリズム
第5章 平和な町に起きたさざ波
第6章 消えたイラク戦争反対論