内容説明
社会の荒波を渡るには、あまりにも繊細で無防備なジェリーとメアリー。それぞれ数学と芸術の天才であるふたりは、出会ってすぐ恋に落ち、初めて人とつながる喜びを知るのだが…。知的レベルが高いにもかかわらず、コミュニケーション能力に問題のあるアスペルガー症候群(自閉症の一種)の男女自らが半生を語る実話。
著者等紹介
ニューポート,ジェリー[ニューポート,ジェリー][Newport,Jerry]
1948年生まれ。自閉症者のための講演および執筆活動を行う
ニューポート,メアリー[ニューポート,メアリー][Newport,Mary]
1955年生まれ。自閉症者がアニマル・セラピーを受けられるような観光牧場の創設に奔走している
ドッド,ジョニー[ドッド,ジョニー][Dodd,Johnny]
ライター。ピープル誌の記者
八坂ありさ[ヤサカアリサ]
1950年生まれ。立教大学文学部卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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introduction
6
タイトルに惹かれて借りた図書館本。滅茶苦茶ざっくり説明するとアスペルガーでサヴァンの男女が出会い、愛を育むがやはり継続が難しく離婚。しかしまた再婚して...という実話。映画化もされたらしい。当事者にしかわからない事が言語化されているので感情移入は難しくない。アスペルガー故に健常の人より何倍も傷付き苦しんだ筈の2人の言葉が最高に素晴らしい。「生きているのはいいものだ。もう一度生まれてきたい」「わたしたち、人生でほしいものはなんでも手に入れられると思うの。心の傷と怒りを全部捨てればね」2021/04/30
Mao
6
周りからの助けが殆ど無い中で、生きるすべを自ら少しずつ学びとっていく姿がいじらしい。2017/08/31
きゅうり
5
サヴァン症候群の男女が出会いお互いを認め合い、生きる希望を見つける話。ご本人がた著です。映画化したのも公開時(2007/2)観に行ったけど、実話の方が壮絶だ〜。そりゃ2時間じゃ収まらないよね。自分を上手く表現出来ないけど誰かに認められたい、アスペルガーでなくても共感するところが沢山ある。2014/04/19
一葉
2
すごいなぁ、障害を持つ人同士が生活することと、その傍らでこれを本にまで仕上げた気力と。 赤の他人と生きていくって、大きな衝突がなかったとしても気付かない摩擦が起こっているものだと思う。 それが彼らはより拡張されて現れてくるのだと感じた。もがき苦しみながらも前に進もうとする姿は、生々しい熱量を伝えてきて、勇気が湧いてくる。2019/02/24
左手爆弾
2
決してハッピーエンドなよい本ではない。アスペルガー同士うまくやれるなんてことはない。むしろ、お互いのこだわりや苦手なこと、こうしたものをひとつひとつ受け止め、学びながら成長していくしかない。それはアスペルガーではない人びとにとっても同様ではないだろうか。彼らが見ている世界の片鱗と、付き合い方の参考には少しばかり、しかし重大な寄与をするだろう。2016/05/06