シリーズ・哲学のエッセンス
ハイデガー―存在の謎について考える

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  • サイズ B6判/ページ数 110p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784140093009
  • NDC分類 134.9
  • Cコード C3310

内容説明

なぜ、いま私はここにこうしているのか。哲学と人生論が必然的に結びついた存在論。ハイデガーの存在論を徹底的にわかりやすく解説しながら「自分」という謎について考える。

目次

1 存在にどう取り組むか―方法の問題(「存在そのもの」について考える;「意味」の解明を試みる;根本的な問いを考える)
2 「自分が存在している」という事実をどう捉えるか(「自分」というのはなにか;自分は、「世界のうちにいる存在」である;「世界のうちにいる」とはどのようなことか)
3 時間性の問題―「存在の意味」とは「時間性」のことである

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

新地学@児童書病発動中

98
ハイデガーの哲学についての入門書。ハイデガーについては『存在と時間』の著者というぐらいしか知らなかった。聖職者を目指していたのに挫折したことやファシズムに肩入れしてしまったことなど、普通の哲学者とは少し異なる人生を送ったそうだ。絶対的な答えを出さずに常に問い続けること、伝統的な西洋の哲学とは異なって揺れ動く自己を考えたこと、自己をこの世界に投げ込まれた存在であるとしたところなど、非常に興味深い哲学を作り上げた人物だと感じた。2014/06/10

イプシロン

32
ハイデガーの『存在と時間』は、現代における哲学入門書という地位を得ている。が、精髄を説明された本著を読んで『存在と時間』の概略を読みとれる人は少ないだろう。しかし、著者の説明は非常に丁寧である。その理由は、現存在・存在・非本来性・本来性といった用語の意味を的確に掴みづらいからであろう。一般に前述した言葉は、我々・世界・(そのままに)受け入れる/入れない、という言葉に置き換えればいいのだが、その辺の著者の気配りはなかなか素晴らしい。ハイデガーがなぜ、我々といった言葉を使わずに『存在と時間』を記したかが2022/09/14

イプシロン

26
「哲学のエッセンス」と銘打たれているだけに、主著『存在と時間』の重要な概念がわかりやすく解説されている。それでも解釈するのは大変だろう。わかってみれば仏教哲学とほぼ同じというもの。自由とは善悪を超えて受けいれる覚悟。自性も他性も存在せず、つねに個としての現存在のありかたを問いつづけることが生きること。存在内存在は主体(自分)と客体(環境)という関係性でなく、双方が主体として気を遣いあう動的で平等な関係性、つまり縁起。さすがに時間性については未決であるが、仏教も死後については無記なのでこれでいいのだろう。2018/07/21

コージー

21
★★★★☆「存在」の哲学者ハイデガーの理論を解説した本。エッセンス本ということだけあって、難解な哲学の内容を、素人にもわかりやすい言葉で説明してくれています。110ページほどの分量ですが、「自分が存在する」ということの意味を深く考えさせてくれる良書です。【印象的な言葉】人生の難問にぶつかって、ひたすら問いを発することしかできない時があります。そのようなときに、私たちは、機が熟するのを待つようにしか生きることができません。いわば、答えの方が私たちに姿を見せてくれるまで、問いの円環のなかで待ち続けるわけです。2020/02/14

田畑

8
「存在の不確かさに絶望せず、たえず可能性に開かれているんだ、と楽観的にいよう。なぜなら、まだ存在の事実は終わっていないのだから。」……とても億劫である。2014/10/14

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