内容説明
相対性理論はどのようにして生まれたのか。既成概念や常識といったものから、アインシュタインは生涯自由であった。常識にとらわれない発想と強靱な忍耐力が、特殊相対性理論、そして一般相対性理論を生んだ。相対性理論に至る波乱にとんだ道程でアインシュタインは何を見たのか。彼の残した小さなスケッチ画から解きあかされる思考の仕組みとは何か。相対性理論の創造過程を類書にない分りやすさで描く知的ドキュメント。
目次
序章 光あふれる舞台
第1章 特殊相対性理論の芽生え
第2章 理想の研究所ベルン
第3章 アカデミー・オリンピア知的討論
第4章 光の絶対性
第5章 モーツァルトとアインシュタイン
第6章 一般相対性理論の創造
第7章 思考のパターン
終章 現代知性との対話
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みつ
10
「アインシュタイン・ロマン」の第2巻は、相対性理論について。とはいえ、理論自体の説明であるよりも、「どのように作られていったか」に重きを置く。「光の速さで進んだら世界はどう見えるか」という問いかけから始まる思考実験の過程を紹介する中、第5章ではモーツァルト達音楽家に触れ、音楽と科学が「どちらもあこがれという同じ泉に養われている」という美しい言葉が紹介される(p118)。結びでは、「証拠」もない中で「世界はこうあるはずだ」という信念(審美観)の下に、同じテーマを執拗に考え続けた忍耐力(p156)を称揚する。2021/04/05
aquilane
0
B2021/04/14