内容説明
信じるもののために燃焼させた新選組隊士沖田の命。新進気鋭の女流作家が放つ、新たなる総司像。
著者等紹介
秋山香乃[アキヤマカノ]
1968年、北九州市門司区に生まれる。長崎の活水女子短大で司馬遼太郎を研究。卒業後、歴史サークルを主宰。会誌を発行。デビュー作『歳三 往きてまた』が、新選組ファンのみならず時代小説ファンの熱い支持を得る
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感想・レビュー
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えみ
66
虚を衝かれるとはこういうことか。これまで読んだ、沖田総司を主人公にした作品の中で一番好みかも知れない。人が人としてその心を持ったまま最後まで生きる、という事とはどういうことなのか。数多の修羅場を体感し、多くの屍をその足元に築いてきた沖田総司という生き方を、幕末の京を駆け抜けた新選組という男たちの志から探り当てる。粛清で散っていった嘗ての同志たちへの想い、生きて今なお必死で時代に抗い戦場に立ち続ける盟友たちへの想い。死病に侵されながらも剣の才能を進化させ続けた総司の生涯に涙が零れた。仲間に畏れ愛された天才。2021/09/05
金吾
27
沖田総司だけでなく藤堂、山南、谷等魅力的な人物がたくさんいます。最期まで戦い抜いたラストは印象に残りました。2024/02/02
☆エンジェルよじ☆
27
沖田総司の剣術家として武士としての生涯。土方さんが弟のように可愛がり総司も素直に甘えているのが微笑ましい。試衛館時代からのメンバーと斎藤さんがやっぱり好きだ~~2011/10/25
daimonn
7
池田屋事変後の総司が特にいい。喀血を目立たなくするために黒の着物を好んで着るようになるが、その剣は以前にも増して洗練され、極めた者しか到達できない域にまで達していく。そして、近藤、土方に遅れながらも斎藤、周平を伴って伏見へ向かう途中での裕次郎との斬り合い・・。最期まで誇り高き一人の武士として描き切ってあるこの本を読んでよかった。それと、山南啓助が土方ら一人一人にあてた手紙を総司に託す場面「土方君じゃない。これはトシに書いたんだ」にもぐっときた。隊士たちへの愛情がひしひしと伝わってくるような一冊でした。2012/10/11
エル
4
沖田総司の一生。ラストの土方の写真のやり取りがすごく良かったなあ〜ああ、沖田は大事にされてるんだって。分厚くて途中挫けそうになったけど最後まで読んで良かったです、 2019/12/29