NHKブックス<br> ヘーゲル・大人のなりかた

NHKブックス
ヘーゲル・大人のなりかた

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  • サイズ B6判/ページ数 254p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784140017258
  • NDC分類 134.4
  • Cコード C1310

出版社内容情報

マルクス主義につながる悪しき思想の根源とされていたヘーゲルは過去のものになる。共同体と個人の自由について徹底的に考えた思想として捉え直す、新しいヘーゲル哲学入門。

内容説明

マルクス主義につながる悪しき思想の根源とされていたヘーゲルは過去のものになる。共同体と人間の関係について徹底的に考えた思想としてヘーゲル哲学を捉えた新しい入門書。

目次

序章 ヘーゲルってどんな人?
第1章 人々が熱狂した近代の夢
第2章 愛は世界を救えるか
第3章 自己意識は自由をめざす
第4章 わがままな意識は大人になる
第5章 私と世界の分裂と和解
第6章 制度の根拠はどこにあるのか
終章 ヘーゲル哲学をどう受けつぐか

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

白義

9
これは読みやすい。初期ヘーゲルから精神現象学、法哲学まで、その実存と社会思想を、精神の成長、成熟という線で語った平易な入門書。普通の人にもわりとすぐ読める、一貫性のある明快さが魅力的。竹田青嗣のフッサール現象学に対応するのがだいたい西研のヘーゲル哲学で、その分かりやすさは著者の色がかなり加わることによるものだけど、思想書として良質なので本格的にヘーゲル哲学を理解しよう、という状態にならない限りあまり気にすることはない。入門書として好適な良書2011/11/24

Yasomi Mori

6
ポスト・モダニズム(共同体やルールへのアンチ精神)の流行の中で敵視され続けたヘーゲル。「ヘーゲルは普遍的真理を追求し、国家を絶対視するナショナリストだ」と見なされている。でもそれは誤解だ、と著者は主張する。その「誤解」はたしかにヘーゲル自身が招いた側面もあるが、〈人間は完全に普遍的な立場にはたちえない〉というポスト近代以降の思想、あるいは実存の思想を先取りする主張もじつは含まれていた。/平易な文体のわりに密度が濃く、思いのほか読むのに時間はかかったけれど、ヘーゲル哲学の面白さを知るには最適な入門書でした。2014/02/20

takeapple

4
ヘーゲルなんて名前とんと聞かないなあと思っていた。高校の倫社の教科書に出ていた肖像画が気に入って版画で彫ったなあ、大学時代には岩波文庫の「歴史哲学上中下」を買ったけれど途中で挫折したなあというくらいの想い出だった。それが、西さんの手にかかると面白くわかりやすく読めてしまう。ヘーゲルの単なる解説ではなく、これからどう考えて生きていくか、どういう社会を作っていくかについての西さんなりの考え方が示してあるのがよかった。ルールを改変できる社会ということは大いに共感できます。2010/03/28

日の光と暁の藍

4
ヘーゲルの主著『精神現象学』と『法の哲学』(=『法権利の哲学』)について解説された本。本書を読むまで私は、ヘーゲルについて全くと言っていいほど知識がなかった。けれど本書一冊で、ヘーゲルが一体何を考えようとしていたかが理解出来たように思う。ヘーゲルの思想の変遷などについても書かれている。私の様に前提知識がなくても、ヘーゲルが用いた概念を表す用語さえきちんと理解していれば、西氏の論理展開は明快で、説明も分かり易いため、ヘーゲルの主張をよく理解できると思われる。まさにヘーゲル入門にふさわしい一冊と言えるだろう。2014/04/20

Hisashi Tokunaga

3
積読本だった一冊。ともかく、読んでみるかと手に取った。難解のヘーゲルを筆者はどのような目的で読みこなしたかの体験記でもある。その分余裕をもって読める。「精神現象学」は精神と社会がどのように歩んだかを跡取ろうとする書だとのこと。理性と自由をコラボさせると国家に行き着かざるを得なかった(?)「法哲学」。ここまで著者の読書追体験でヘーゲル理解を運んでもらうとむしろ私はヘーゲルを誤解してないだろうかとも思える。論理学あるいは弁証法というとっておきの論点は出てこないのは何故?2020/03/23

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