NHKブックス
「明治」という国家〈上〉

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  • サイズ B6判/ページ数 190p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784140016824
  • NDC分類 210.6
  • Cコード C1321

出版社内容情報

「明治」は、清廉で透きとおった「公」感覚と道徳的緊張=モラルをもっていた。歴史変革のうねりの中で、次世代を担う人びとに、明治人の人間智と時代精神の核と髄を伝える。

内容説明

「明治」は清廉で透きとおった“公”感覚と道徳的緊張=モラルをもっていた。維新を躍進させた風雲児・坂本龍馬、国家改造の設計者・小栗忠順、国家という建物解体の設計者・勝海舟、新国家の設計助言者・福沢諭吉、無私の心をもち歩いていた巨魁・西郷隆盛、国民国家の形成を目指したかれら“明治の父たち”は偉大であった。本書は、明治草創の精神を捉え直し、「明治国」という人類普遍の遺産を巨細に語りつくす。これは、著者畢生の日本論であり、鮮明な日本人論である。

目次

第1章 ブロードウェイの行進
第2章 徳川国家からの遺産
第3章 江戸日本の無形遺産“多様性”
第4章 “青写真”なしの新国家
第5章 廃藩置県―第二の革命
第6章 “文明”の誕生

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

レアル

56
先日「義経」物語を読んだが、どの時代も共通なのか、一族の傲慢な世に人は飽きると革命が起こる!のやもしれない。先の義経ではそれは平家だし、この時代は徳川の世。特に幕末は欧州への恐れも加わり、薩長が先陣を切って幕府と倒し新しい世を作ろうとした。そんな激動の時代を司馬氏観で語る。「幕府というものは、シツケ糸1本を抜くだけで瓦解するようにできているのだ」なるほど上手い表現である。下巻へ。2017/12/25

kawa

47
明治という時代を国家ととらえるならば、その近代化の歩みは世界史的にみても稀有な成功例であったと思う。司馬先生は明治を「格調の高い精神でささえられたリアリズム」の時代と評する。国家・国民の概念すらなかった人々が、列強国の影響下に隷属することを恐れ、ある種狂的な「公」の精神で一丸(思想や手法には争いはあるが…)となった時代と評することもできるのではないかな。かくして日露戦争勝利でそのピークを迎えたが、一流国になったと勘違いした日本国民は、指導者層の劣化と「公」の精神の喪失により奈落に堕ちて行った。 2021/08/30

サンダーバード@読メ野鳥の会・怪鳥

47
はたして明治維新は「革命」であったのか、あるいは薩長土肥連合による王政復古クーデターにすぎなかったのか?幕末から明治にかけては、司馬さんが得意としている時代であるし、「竜馬がゆく」「歳月」「翔ぶが如く」など名作も多い。その明治時代を「時代」ではなく「国家」としてとらえて議論しているところが面白い。たしかに明治維新は革命ともいうべきことであり、江戸期の日本とは全く異なる「国」であることがわかる。★★★★

James Hayashi

36
著者が語ると歴史上の人物に血が行き渡り現物が目の前に現れてくる様。なんとも魅力的な人々。時代を変えた人々。ここではそれ程有名でない人々が語られているが、まさしく時代とともに生まれ、日本の歴史を変えている。あえて言えば短すぎる述懐。しかし心が震える。次巻へ。2021/01/22

りょう君

30
第四章「青写真」なしの新国家は、興味を持って読めた。倒幕の西郷・大久保は徳川慶喜を逃げさせて江戸の無血開城をさせたが、新政府は革命政権について何のプランも持っていなかったらしい(笑)さっぱりわからないので外国を見に行ったという。廃藩置県が終わって明治4年の秋、岩倉具視を団長とするいわゆる岩倉使節団が欧米見学に出発した。その中には長州の木戸孝允や伊藤博文、薩摩の大久保利通はいたが、西郷隆盛は留守番でいなかったという。西郷が維新までは大久保と手を組んだが、維新後は仲たがいしていたのは有名な話である(笑)2016/05/16

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