出版社内容情報
市場化に伴う「豊かな社会」の実現によって,中国はどのように変わったのか.国家からの自立を次第に強める社会を「国家・社会関係」の視点から分析し,巨大な変化の実情を明らかにするとともに,21世紀に向かう中国社会の構造変動の全体的な方向性を描きだす.
内容説明
21世紀の中国はどこへ行くのか、建国50年を経た大国の実像―「自律化する」社会の実態と意味を検証する。
目次
現代中国の社会変動をどう捉えるか
第1部 ヒトの移動―動く社会(労働移動;農村の経済発展と出稼ぎ現象―雲南省における農家調査事例から;沿海地帯農村における女性出稼ぎ労働者―蘇南M村の事例)
第2部 国家・社会関係の諸相(地域における政治・経済の担い手の価値意識にみる自律性・対抗性―山東省農村の勢力配置の変化と異議申し立て過程への着目から;中国都市における地域社会の実像―「単位」社会から「社区」社会への転換;農村における基層組織の再編成と村民自治―ハードな統治からソフトな統治へ;学校教育財政における国家・社会のパートナーシップ)
第3部 国家・社会関係のシフト(中間層の台頭とその国家・社会関係に及ぼすインパクト;中国南部における仏教復興の動態―国家・社会・トランスナショナリズム;仏教復興の政治学―競合する機構と正当性)
中国社会変動の構図