出版社内容情報
日本における罪と罰の姿はいかなるものか.本書は「日本の刑事法・司法制度の通史的把握」という視点から,近代および西洋法継受以前の刑事法の変遷を解明する論文集.日本法制史・西洋法制史・外国法を専攻する執筆者が,それぞれに通底するテーマを独自の観点から描き出す.
目次
律令国家変容期における「公民」概念―日本的「公私」観念の成立
鎌倉幕府の殺害刃傷検断について
検断沙汰の成立と検断システムの再編成
明治初年の滞納処分における国税の自力執行力と優先権―明治五年太政官布告二八五号とその展開
韓国の朝鮮王朝初期における中国刑法の適用
トゥールのグレゴリウスにおける国王の刑事裁判権
訴訟の形式に従い判決の形式も調えられるべし―『グレゴリウス九世教皇令集標準註釈』の弾劾手続と糾問手続
「客殺し」のインヴォルティーノ、ロマニスト風
リストの刑法学方法論
決闘の法史と社会史―カイザーライヒを中心とする問題素描
1200年と1300年―日欧比較