出版社内容情報
新しい歴史観と歴史学に向けて一人ひとりの歴史家によりその具体化の努力が重ねられてきている.本書は,具体的な作業を追いつつ,現代歴史学の先端的水準とその一歩先を示す.各執筆者の個性・方法をより強調した『歴史の文法』の続編.
内容説明
「新しい歴史学」の追究。多様な方法・視座が織りなす歴史学へ。事件の連鎖をわかりやすく、総合的に、そして生き生きとした叙述を通して伝えるために。
目次
第1部 歴史を織る人間(広場から覗いた都市の歴史;三人のジャディード―近代中央アジアの眺望 ほか)
第2部 見直された歴史(人間と自然の歴史―日中古代・中世の比較を通して;異教のイエス ほか)
第3部 開かれた歴史(歴史工房での徒弟時代―親方ラファエル・サミュエル;中世ヨーロッパと現代 ほか)
第4部 方法と創造力(歴史主義再考;戦争の記憶と歴史の壁 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
金吾
10
題名に魅せられて買ってしまった本です。色々な視点の評論が含まれていますが、一つ一つは対位法という感じはしません。全体で広い分野を扱っているから対位法としたのかなと思うとやや題名詐欺かなと思いました。とはいえそれぞれ評論は興味深いもので、特に異教のイエスや中世ヨーロッパと現代は面白かったです。2020/07/01
Haruka Fukuhara
6
別にこの本を読むために勉強したわけではないが、音楽通論の本に「対位法」に関する記述があった。クラシック好きの歴史学者(誰だろう)がつけたタイトルのよう。歴史学者(一部違う人も)が1章ずつ担当して歴史への向き合い方や思いなどを綴っている。とても興味深かった。多くの先生方が面白いことを書いていたが、高山博先生の文章が自分には一番印象深かった。2017/03/16