出版社内容情報
東アジア諸地域では,この150年ほど,欧米列強のあおりを受けて支配や抗争の地域となり,トランスナショナルな公共空間の創出が挫折もしくは妨げられてきた.公共空間創出のために,公共知をめぐってどんな試みや問題があったのか.それは今後どうあるべきか.東京大学の分野横断的な国際的発信の試み.
内容説明
トランスナショナルな公共性の探究。東アジアは、かつて公共知をいかに形成しそれをいかに活かそうとしていたのか、近代の経験はそこに何を加えたのか、今後何を見出し何を実践すべきなのか。東京大学の分野横断的な国際的発信の試み。
目次
第1部 東アジアにおける公共知の創出をめぐって(東アジアにおける「公共知」の創出―幾つかの前提について;東アジアの認識共同体の形成に向けて ほか)
第2部 東アジア公共知を“省みる”(文明の世界知;アジア主義と社会連帯論の位相―大正社会主義の理論的射程を中心に ほか)
第3部 東アジア公共知の“現在”(現代韓国の政治理念―民族主義、自由民主主義、人権思想;公約、公憤および公議―現代中国における法の言説空間 ほか)
第4部 東アジアにおける公共知の“将来”(中国の社会変化をめぐって―新自由主義批判と対抗ヴィジョン;実践的公共知(良識)を目指して―生活世界に根付いた公共哲学への道筋 ほか)
特論 現代日本のアジア研究とナショナル・アイデンティティ
特論 グローカル公共哲学と東アジア公共知の未来
著者等紹介
佐々木毅[ササキタケシ]
1942年生れ。東京大学総長。政治学・政治学史専攻
山脇直司[ヤマワキナオシ]
1949年生れ。東京大学大学院総合文化研究科教授。社会哲学・公共哲学専攻
村田雄二郎[ムラタユウジロウ]
1957年生れ。東京大学大学院総合文化研究科助教授。中国近代史・中国地域研究専攻
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