出版社内容情報
大学への進学者数が急激に増加し,エリート教育からマス教育へという移行が顕著になった70年代,大学の制度・組織・教育の形態,学生の質,大学人の態度などにどのような変化があらわれてきているか,転換期の大学像をアクチュアルに描く.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
こめだ
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大学進学のマス化と、その卒業者に対するサービス業などからの向こう数十年尽きることのない需要という予想は見事に的中した。進学が一種の義務となった昨今、大学に行くものが褒められるというよりもむしろ行かないものが非難されてしまう。本書はそうした環境の中で進学するものに対し、一流一律の水準の学生であることを求めるのは現実的ではないと考えている。「最善のものでなけらば無い方がよい」ではなく、「どんなものでもないよりはマシ」という考えに立って、既存の大学より明らかに低い水準の大学を肯定する立場に立つ。2014/10/25