出版社内容情報
欧米はもちろん、アジアの他の国々とも異なる日本文化の独自性を歴史のなかに探り、「日本人」が国際社会で真に果たすべき役割について語り合う。
内容説明
欧米はもとより、周囲のアジアの国々と比較しても著しく異なる日本文化の独自性、その発生の起源を、国際交流の歴史のなかに探り、「日本人」という枠組みが何をさすのか、この先「日本人」が国際社会で果たすべき役割はどうあるべきなのか、対談の達人が明朗闊達に語り合う。
目次
1 日本人論の成立
2 日本の性格
3 都と鄙の文化
4 日本人の典型
5 日本人の自己表現
著者等紹介
司馬遼太郎[シバリョウタロウ]
1923年(大正12)年、大阪に生れる。43年、大阪外語大学蒙古語科卒業。59年、『梟の城』により第四二回直木賞を受賞。以後、毎日芸術賞、芸術院恩賜賞、読売文学賞、朝日賞、日本文学大賞、大仏次郎賞などを受ける。主な著書は、『竜馬がゆく』『坂の上の雲』『空海の風景』『翔ぶが如く』『ひとびとの跫音』『韃靼疾風録』『菜の花の沖』『街道をゆく』など多数、『司馬遼太郎全集』がある。日本芸術院会員。93年、文化勲章を受章。1996(平成8)年2月没
山崎正和[ヤマザキマサカズ]
1934(昭和9)年、京都に生れる。劇作家。56年、京都大学文学部哲学科卒業。関西大学、大阪大学教授を経て、現在、東亜大学学長。劇作から文芸評論、アメリカ論、文明評論・社会評論まで活動領域は大変に広い
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感想・レビュー
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時代
13
日本人について山崎正和氏との対談。お二人の知識の豊富さが際立っていて中身の濃い語り合い。正直ちょっと難しかった。でもご満悦です△2019/07/11
まさにい
9
司馬さんと山崎さんの日本人論についての対談。文庫になったのは2001年だが、対談があって本になったのは1978年。もう相当前である。日本人が何であるか言葉で現さなくては日本人が理解されないとある。しかし、現在、欧米の相対性、多様性を認める世界になりつつあり、一神教的な偏狭さから脱しつつある(この当時と比べて)。そんな流れの中、この当時、言葉に出来ない日本人についても、現在では、そのまま受け入れられて来ているような気がするのは、私だけではないのではないか。あえて定義づけする必要はないのではないかと思う。2022/02/15
読書家さん#mdQf51
3
ある国民が自分の世界のなかに閉じこもって居る限り、けっしてものの実像は見えない。国民的先入観を破って実像を見るようになるためには、まず国際的な誤解と衝突がなければならない。 技術尊重の精神、個物への関心と趣味、大衆文化 日本人の特質としてよく挙げられているものの他にも、さまざまな日本的特徴があるものだ。「日本人」という木像があるとして、思ってもみなかった角度からスポットライトライトが当てられ、見ていなかった細部の木目を目の当たりにしている感じ。司馬遼太郎さんと山﨑正和さん2人の対談ならではの視座。2021/07/24
VAN
3
山崎正和氏との対談。よほどこの二人は合うようで、他の対談ものにはない和んだ雰囲気の中に、お互い気を遣わずに楽しく語り合っている様子がうかがえる。内容は日本人論からはじまり、日本の性格ともいうべき職人について語り合い、そして都と鄙に入っていく。そして日本人の典型について考察しつつ、世界でも類を見ないこの民族がどのよに自分たちを世界に説明していくべきかを考えていっている。ページ数が少ないせいもあるが、対談ものにも関わらずイッキに読めてしまうほど読みやすく、小説のように内容に入り込んでしまった。2021/01/07
グワカマーヨ
3
推薦図書。なんだか頭に入ってこなかったんだけれど。薄い本なので、紹介する前にもう一回読んでみることにする。2019/04/21