内容説明
農水産物の一大供給地であった福島は、3・11以後、現在にいたるまで、「デマ」や風評が飛び交い、苦しい状況に追い込まれている。一方で、原発事故と震災の忘却は着実に進行している。本書は、流通や市場の課題、消費者とのコミュニケーション、差別の問題などから、「食」について多面的に論じる。「食」を通して、あの事故がもたらした分断を乗り越えられるのか―。これからの社会を考える試み。
目次
序章 分断された言説空間
第1章 市場で何が起こっていたのか
第2章 風化というもう一つの難題
第3章 社会的分断とリスクコミュニケーション
第4章 最後に残る課題
終章 そして、原発事故後の経験をどう捉えなおすか
著者等紹介
五十嵐泰正[イガラシヤスマサ]
1974年千葉県柏市生まれ。東京大学大学院総合文化研究科国際社会科学専攻博士課程単位取得退学。筑波大学大学院人文社会系准教授。専門は都市社会学・国際移動論。今も暮らす柏市で、音楽や手づくり市などのイベントを行う団体「ストリート・ブレイカーズ」の代表として、実践的にまちづくりに関わっている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
出版社内容情報
事故から7年を経て、今なお問題をこじらせるものは何か? 流通や市場における課題、リスクコミュニケーションの手法などを考える。私たちが口にする「食」を通して、これからの対話を考える試み。
五十嵐 泰正[イガラシヤスマサ]
著・文・その他