中公新書
友情を疑う―親しさという牢獄

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  • サイズ 新書判/ページ数 197p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121018137
  • NDC分類 158
  • Cコード C1210

出版社内容情報

友人とは何か、友情とは何か――このような問に私たちはどのような答を与えることができるだろうか。たとえば、友人が悪事に手を染めた時、私たちはどのように行動すべきなのか。本書は、アリストテレス以来、二千年以上にわたって、哲学者たちの頭を悩ませてきた友情の問題が、「公共性」をめぐる問題の一部であることを示し、現代において友情のあり方が社会に看過し難い影響を与えていることを指摘する。

内容説明

友人。誰のまわりにも一人はいる身近な存在と考えられている。しかし、友人との付き合い方にルールはなく、友人が私たちに何を運んでくるかは予測のつかぬ謎である。誰が友人か、どこに友人はいるのか、友人と親しさの差異は何か、そして友情の政治的機能とは…。本書は、哲学者たちの友情論を手がかりに、公共の空間における対人関係の本来の姿を描きながら、友情の消滅の危機と、それが原因の国家の危機を遠望する。

目次

第1章 友人という謎(学校に友だちはいるか;スポーツ選手の「友情」 ほか)
第2章 危険な友情(「友人」たちの犯罪;問題の発見 ほか)
第3章 友情の神秘(モンテーニュとラ・ボエシー;なぜ彼なのか ほか)
第4章 人類への友情(友人としての人間;合意形成と友情 ほか)
第5章 友情という幻想(友愛と友愛化;幸福な者への憎悪;「引力」の呪縛;友情の黄昏;統合の問題)

著者等紹介

清水真木[シミズマキ]
1968(昭和43)年、東京生れ。1991年、東京大学文学部西洋古典学科卒業。1993年、同哲学科卒業。1995‐98年、日本学術振興会特別研究員(DC1)。1998年、東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)。1998年、広島大学総合科学部講師、2004年同助教授。専攻は、哲学、哲学史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

さえきかずひこ

12
アリストテレス、キケロ、シャフツベリ、カントらが論じた「共同体全体の利害にかかわる問題について、開かれた空間において合意の形成を目指して討議する意欲」(P.189)としての友情に、私的な友情論を展開したモンテーニュと恐怖政治を敷いたジャコバン派に通じる歪んで稚拙なルソーの友情論を対置して批判的に論じる興味深い一冊。巻末ではハーバーマスが引かれ現代社会では市民的公共性が形骸化していることが指摘されるがそれにもかかわらず日本でも市民的公共性に立脚した社会を目指さねばならないとする結論は説得力に欠け残念だった。2020/06/18

ヒダン

11
キケロ、モンテーニュ、ルソー、カントの友情論を順に検討する。「友情のためなら公益に反することをしてもよいか」という問いに代表される公共性との関係が友情論の主題である。一方で古代ギリシアや古代ローマの時代においては友情そのものが公共性の礎であった。高名な哲学者の友情論にはそれぞれモデルとなる友人との付き合いが反映されているのが面白い。ルソーの友情観は独特で天才的だけどあまりにもメンヘラ。カントの斥力と引力の微妙な均衡状態という説明はしっくりきた。友人がいなくても幸せな社会でこそ友人は作れるとまとめている。2016/07/27

sk

6
友情を公的なものとみなした古代の立場と、友情を私的なものとみなしたモンテーニュらの立場、その中間ともいえる道徳感覚の議論など、友情を哲学的に考えていて面白かった。2017/03/27

もくたつ(目標達成)

4
「友達」というものの定義を、古代の政治家や哲学者などの考えを基に考察するもの。突き詰めて定義づけると、「友達」といえるものを持つ人間はいないように思う。2018/12/28

まあい

2
友情の思想史を概説し、「市民的公共性」の失われた現在において、友情概念は本来の意味を失っていると結論づける。非常に刺激的な議論。(引用)「善意にもとづく行動は、公平への配慮を欠いているために、公共の空間を支配している社会的な正義(公正)の原則を同様させ腐蝕させる」(p184)2016/05/04

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