中公新書
オールコックの江戸―初代英国公使が見た幕末日本

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  • サイズ 新書判/ページ数 283p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121017109
  • NDC分類 210.58
  • Cコード C1221

出版社内容情報

初代イギリス公使オールコックが幕末の江戸で過ごした緊張感に満ちた日々を、一次史料をもとに活写する。

内容説明

一九世紀半ば、江戸‐ロンドン間の文書のやりとりに蒸気船で半年近くを要した時代、一人の外交官が担う責任は、今日とは比較にならないほど大きかった。そんな時代、日英関係の仕事は、初代駐日公使ラザフォード・オールコックの手に完全に託されていたといってよい。本書は、一八五九年から六二年まで、日本の外交にとって決定的に重要だった三年間の彼の思考と行動を、在外史料を駆使していきいきと描いた幕末物語である。

目次

第1章 広東から江戸へ
第2章 上陸
第3章 神奈川問題
第4章 江戸駐在代表の生活
第5章 アメリカ公使との確執
第6章 一八六一年夏
第7章 ロンドンへ
終章 歴史への奉仕者

著者等紹介

佐野真由子[サノマユコ]
1969年(昭和44年)、東京都に生まれる。1992年、東京大学教養学部教養学科(国際関係論専攻)卒業後、国際交流基金に勤務。在職中、1997‐98年にケンブリッジ大学に留学、国際関係論専攻修士号(MPhil)を取得。2002年より、ユネスコ(国際連合教育科学文化機関)文化局無形遺産課勤務
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬弐仟縁

34
オールコックが、長崎にこだわったのは、初代長崎領事になるジョージ・モリソンの中国到着が遅れ、日本に迎えなかったこと(44頁)。のちに『初心者のための日本語文法の諸要素』を出版した(50頁)。彼の場合、日本語学習、日本社会の視察、滞在記の執筆に充てられた(121頁)。生活する様子を見るのが好きで、あけっぴろげの家々はよく見える。清潔な部屋に、最低限の家具と銃器。食事、昼寝姿が観察され、職人の仕事ぶりも見えた(122頁)。2015/08/31

Hiro

22
様々な認識の違いを知ることができた。自分は少し世の中を甘く見てしまっている部分があると感じた。2020/11/28

ジュンジュン

10
1859年から65年まで、初代駐日英国公使(当初は総領事)を務めたラザフォードオールコックの3年間(59~62)を描く。本質は、大英帝国が地球規模で押し進めるフロンティアラインに立つ尖兵。ただ、日本への”愛着”が彼を特別な存在にする。2021/10/11

はーごん

9
幕末の外交史が好きな僕は、ものすごく楽しめました。オールコックが、(大英帝国から見て)未開の地であっても見下さず、良いものは良いと言える人だったことも、幕末の幸運の一つではなかったのかなと感じました。元になった資料がキラキラして見える、とても良い本です。2017/02/24

ホークス

9
良書。オールコックの公使時代は維新の9〜4年前、攘夷激化の頃だった。遣欧使節派遣と万博参加を推進したその想いは「世界が目の前の外国人の姿でしか立ち現われていないことが本質的な問題であり、彼らの目を本物の世界に向かって開かせるしかない」と著者は言う。押し付けでなく、自力で進む「目」を育てようとする志であり、厳しさと愛情の両立と言える(これは著者にも共通する)。又、当時英国は、今の日本を凌ぐ外交上の哲学を有していた、即ち大人だった(温かい、冷たいでなく)と判る。経験の長さではない、文化の違いを実感した。2015/03/15

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