中公新書<br> カラー版 極限に生きる植物

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中公新書
カラー版 極限に生きる植物

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  • サイズ 新書判/ページ数 160p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121016546
  • NDC分類 471.7
  • Cコード C1245

内容説明

富士山をはじめとする日本の高山には、厳しい自然のなかで可憐に花ひらく植物たちが生きている。また、アンデスやヒマラヤ、南米の砂漠、北極圏や南極大陸などの過酷な環境にも、個性的な植物が数多く存在する。百年も長生きする草、高さ百メートルを超える巨木、多機能な葉をもつ植物など、地球の長い歴史のなかで厳しい環境に適応して生きつづけてきた植物のふしぎな生態に迫る。

目次

1 日本列島
2 北極地域
3 北アメリカ
4 ヒマラヤ
5 アフリカ
6 南アメリカ
7 極地ほか

著者等紹介

増沢武弘[マスザワタケヒロ]
1945年(昭和20年)、長野県に生まれる。1976年、東京都立大学大学院理学研究科博士課程単位取得、理学博士。現在、静岡大学理学部生物地球環境科学科教授。専攻・植物生態学、極限環境生物学
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

翔亀

46
高地や極地など、どうしてこんなところでと思うような極限状況で咲く可憐な花たち。実はその可憐さの裏には、乾燥に強い、風雪に強い、岩に強いなどの個性を武器に他に競争相手がいない場所で生き抜く(だから競争に勝てる)生存戦略が隠されている。樹皮で光合成する、葉を透明にして花を囲って温室状態にする等の驚くべき進化の努力。そしてそれを解明した植物学者達。学者たちのさまざまな仮説が紹介され(未解明も多い)、著者自らが世界中で撮った写真が付く。極限状況の中でこそ生命の素晴らしさが輝くということが良くわかる。 2015/08/20

田氏

13
どの植物にも最低1枚はカラー写真が添えられているし、無駄に共感を煽りもせず、感動を押し付けもしない。淡々としているけれども植物への熱意が伝わってくる。これこれ。こうでなくっちゃ。このあいだ読んだばかりの某プラントハンターのエッセイ本が全く満足いくものではなかったので、なおさらそう感じた(研究者と商売人の違いもあるかもしれないけれど)。ともかく私は、パンで例えるなら、膨らませてカサ増しされたフワフワスカスカの柔らかいやつより、華やかさに欠けようとも重みがあって身がミチッと詰まったパンが好きなのです。何の話?2018/12/17

Humbaba

10
厳しい環境であっても,生命は進出している.厳しい自然に耐えるために様々に工夫をしながら,自然と調和している.しかし,一度希少なものであることが知れ渡ると,せっかく過酷な環境に耐え伸びた植物であっても人間という恐ろしい相手によって多大なダメージを受ける.2013/04/08

misui

2
ヒマラヤの湖畔に佇むレウムノビレ群落の異様な美しさに息を呑む。それに比べると日本の高山植物は可憐で、これはこれでよい。2022/11/12

ほくと

2
強風にあてられ斜面に這いつくばる樹木、落雷を受けながら瀕死の状態で生き延び2度目の森林限界を作り上げる老木、僅かな夜霧を葉で受け止めて極度の乾燥に耐える草、100年間生き続け最後の最後に姿を見せる花。カラー写真とともに、タイトル通り『極限に生きる植物』たちを簡潔な文章で説明している。また、ところどころでこういった植物たちを大切にしていかなければいけないというメッセージも投げかけてくれる。彼らにとって本当の脅威は、人間にとって「極限」だと思えるような自然環境ではなく、我々自身による環境破壊なのかもしれない。2019/06/14

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