中公叢書
物語「京都学派」

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  • サイズ B6判/ページ数 308p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784120031878
  • NDC分類 121.6
  • Cコード C1010

出版社内容情報

西田幾多郎・田辺元を中心に築かれ、近代日本の知性を代表した哲学者たちの人間関係――そこに現出した師弟・友情・敵対・葛藤の世界を興趣あふれる未発表資料多数を駆使して描く。

内容説明

西田幾多郎・田辺元を中心に築かれ近代日本の知性を代表した哲学者たちの人間関係―その師弟・友情・葛藤の世界を興趣溢れる新資料を駆使して描く。

目次

一枚の写真
もう一つの「帝国大学」
東京帝大と「井の哲」
「京大東洋学」の栄光
「選科生」西田幾多郎の屈辱
京都帝大、西田を招く
「予も亦苦む所あり」
田辺元、東北の孤独
西田と田辺、京大哲学科の「出帆」
戸坂潤の「京都学派」〔ほか〕

著者等紹介

竹田篤司[タケダアツシ]
1934年愛知県に生まれる。東京教育大学哲学科卒業。同大学院博士課程(仏文学)中退。専攻、哲学。現在、明治大学教授
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感想・レビュー

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さえきかずひこ

9
著者があとがきで断っているが「それにそもそも、「学派」と称しながら、肝心の「学」については、ほとんど語られていない」(P.305)のでいわゆる京都学派の面々の理論的角逐に関心のある向きにはむかない。戦前・戦中の西田幾多郎と田辺元を中心とした哲学者・哲学研究者たちの人間模様を、資料を博捜して活写した一冊で、とくに書簡(私信)からの引用が多く、三木清、戸坂潤、田辺元らの女性関係が詳しく描かれている。哲学者や哲学研究者の生涯はその思索の道行きを理解するうえで助けになるのだが、ずいぶん通俗的な趣のある作品である。2019/11/27

Haruka Fukuhara

4
膨大な引用は興味深いが地の文が嫌味で苦手だった。2017/03/04

Sherlock Holmis

2
二十歳の頃からその強い学問的薫りに惹かれていた「京都学派」。この本を手に取ったのは偶然だが、時に数頁にわたる日記や書簡の引用、そんな中に突如現れる著者の(手厳しい)主張など、ユニークな内容を持った一冊と気づく。打倒東大でどんどん陣容を充実させていく明治大正期の様子は勇ましいが、そのうちに最も浮世離れしていると思われたこの学問分野でさえ現実の最も醜い姿である戦争に関与し加担させられていく様は読んでいて哀しい。とはいえ、哲学を「人間の学」とする著者にとってはそれもこれもむべなるかな、というところか。2024/03/15

くろとら

2
かつて近代日本哲学界に最高峰として君臨した京都学派。西洋哲学を理解して祖述する物真似哲学から、日本と東洋の伝統的思惟をそこに結びつけ、創造的思索をおこなった志は、今に通じると思う。2013/02/08

a075

2
西田幾多郎、田辺元を中心に集まる人々。気難しい人々の様子が滑稽なほど伝わってくる。2009/12/03

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