感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ねこさん
19
魔術劇場に至る顛末を過去の自分はどう読んだのかを反芻しながら、いま執筆時のヘッセの年齢にあることに戸惑いつつ、三十年かけてこれを咀嚼していることが嬉しい。苦しみながら吐き出した第二の『車輪の下』であり、甘さ苦さを経た身体とそぎ落とされた鋭利な言葉による内面の再告白。社会と折り合いのつかない存在、否定と肯定の極を広げながら剥き出しになっていく自我の観察記録。投企された存在の危機を目を背けることなく乗り越えることしかできなかったヘッセの晩年が穏やかであったことは、救いであり、温かに死を思うよすがとなっている。2022/10/30
浮草堂美奈
3
図書館で借りて。シッダールタの「西洋人の観点から見た仏教」も魅力的だが、荒野のおおかみのぞっとするような孤独な主人公の方が好き。人をいかに愛し愛されようとも、彼は孤独だと思った。2016/03/04
Asa
2
何という深遠な精神世界だろう2015/05/23