新潮新書<br> 金貸しの日本史

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新潮新書
金貸しの日本史

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  • サイズ 新書判/ページ数 220p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784106100963
  • NDC分類 210.04
  • Cコード C0221

内容説明

貨幣の誕生以来、人の歴史は「金貸しと借金」にずっと振り回されてきた。日本最古の銭で賭博にはまった天武天皇、政府自らが金貸しをしていた律令時代、貨幣が行き届いて徳政令に揺れた鎌倉期、大名から百姓まで借金で縛り太平の世を築いた江戸幕府、明治の文明開化も高利貸しのおかげ…。いつの世でも疎まれながら、しかし決してなくなることのない存在、「金貸し」。全く異質な観点から日本史を読み直す。

目次

第1章 律令期―国家の「米貸し」から寺院の「銭貸し」へ
第2章 鎌倉・室町期―銀行のはしり「合銭」
第3章 江戸前期―太平の世に両替屋誕生
第4章 江戸後期―高利貸し百花繚乱の時代
第5章 幕末―西洋における金貸しのルール
第6章 明治以降―文明開化はしたものの金詰まり
第7章 金貸しはなぜ嫌われるのか

著者等紹介

水上宏明[ミズカミヒロアキ]
1955(昭和30)年、北海道札幌市生まれ。消費生活アドバイザー。立教大学法学部卒業。社団法人「日本クレジット産業協会」に勤務。その傍ら、「金貸し」と「借金」に関する文献を読み漁り、独自の視点から日本通史を提示する
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

中島直人

3
売春を除き、最も古い職業である『金貸し』の、日本における通史。江戸時代の札差や室町時代の土倉にはある程度知識が有ったが、平安時代や明治時代の高利貸し等、全く知らない部分も多く、また、時代毎の変遷を知ることが出来、勉強になった。2013/05/03

編集兼発行人

1
金銭の貸借を巡る我国の歴史に関する解説。中央集権国家による米の貸与に後続して貨幣の流通に伴い仏教寺院による金銭の貸与が開始された古代。幕府による経済政策の中心が土地から金融へと移行しながら徳政令や一揆の頻発により貨幣の流通が滞ること度々であった中世。米を基準にしながら金銀銅の三種による貨幣が計数と秤量とを混在させるという複雑な金融体系の下で両替を担う者が幅を利かせた近世。信用創造を概念に据えた西洋との不本意な外交を通じて破綻の強引な精算と新たな制度の設計とが入り乱れた近代。金の回し方にも国柄があると合点。2014/05/11

アタケ

1
本書は貨幣に限定しており、物の貸し借りについては言明されていない。それはともかく、金融業というのは経済を発展させるためには必要悪として政府も黙認しているのがよくわかる。金がらみの暴動が起きないように貸した借りた双方にそれぞれ肩入れしたり、無視したり、時には政府が借金をしたりと様々なケースが綴られている。政府にしても戦争時には借金をしなければならない時もあり、直後に凶作などで人々が困窮すると暴動に発展するコンボ。頭の痛い事実も多い。しかし年利360%でも、資金がない町民には商売の元手として喜ばれたとか。2012/12/15

桐原

1
金貸しの通史。読みやすい歴史だった。お上はいつの時代も借金まみれなんですな…2012/05/20

Tao Yamamoto

0
金貸しという視点で日本金融史を紐解いた論説本

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