新潮選書
サラダ野菜の植物史

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  • サイズ B6判/ページ数 231p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784106035371
  • NDC分類 626
  • Cコード C0345

内容説明

人類が最初に食べたのは、動物が避けた苦味の強い野草。サラダ菜は早くも古代エジプトで栽培されていた。海辺生まれのキャベツは、日差しや乾燥に耐えるために葉が厚い。橙色のニンジンが登場するのは十八世紀。トマトは最初、毒草扱い…野菜たちはどこで生まれ、どのようにして世界各地に広まり、生食されるようになったのか。サラダ野菜の歴史を辿る。

目次

第1章 自然史としての植物史
第2章 サラダとは
第3章 どんな植物でもサラダになるのか
第4章 キク科のサラダ植物
第5章 セリ科のサラダ植物
第6章 アブラナ科のサラダ植物
第7章 ウリ科のサラダ植物
第8章 ユリ科のサラダ植物
第9章 ナス科のサラダ植物
第10章 その他のサラダ植物

著者等紹介

大場秀章[オオバヒデアキ]
1943年、東京都四谷区信濃町生まれ。現在、東京大学総合研究博物館教授。理学博士。専門は植物分類学。最近はヒマラヤや快燥地帯でのフィールド研究を進める一方で、植物学史や植物画など植物文化にも興味をもつ
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

翔亀

43
キャベツとレタスは全く違う科(アブラナ科とキク科、科は種より上位)で、キャベツとブロッコリーは同じ種だとか雑学的にも面白いが、植物分類学をリードする著者だけあって、植物史(=博物学)や分類学の基礎から説明され本格的。それぞれの野菜の野生種、栽培の起源、伝播、日本への導入など事細かい。かといって硬い本かというと、著者の主観的味覚丸出して日本未紹介の生野菜がレシピつきで出てきたりする(パースレーンなんか美味しそう)。とにかく、いろんな生野菜が食べたくなる。2015/11/03

にがうり

14
サラダはよく食べますが、凡人は具の野菜たちのルーツや来歴にまで思いを馳せることもなく、ただモリモリ、バリバリ、ビタミン類や食物繊維の摂取に励むだけで。サラダ野菜で本が一冊書けちゃうなんて、さすがは大場センセイ。人種のるつぼをサラダボウルに例えたりしますが、ヨーロッパ出身、新大陸出身、アジア出身と、ボウルの中はまさにるつぼ。なるほどこういうイメージねと腑に落ちました。日本でサラダ野菜としてまだ市民権を得ていないコーンサラダ(マーシュ)やシーケールを家庭菜園で育ててみたい。2015/04/24

ジュリ

4
パクチーは最近注目されるようになったから、最近日本で栽培されるようになったのかと思っていたけれど、平安時代には食べられていたとは驚いた。他にも普段食べている野菜の知らないことがいろいろあった。2018/03/21

しゅりんぷ池田

2
面白かったです! サラダのsalはラテン語の「塩」に由来。サラリー、サラミ、サルサ、ソース、ソーセージも同。サラダに利用されている植物は全300科のうち20科程度と意外に少ない。牧野富太郎はセリ科をカラカサバナ科、アブラナ科をジュウジバナ科と言うことに拘った。しかし、筆者の大場先生はレタスをレタスとは記さず、チシャと和名で表記することに拘っています。嗜好は保守的と思われがちだが、意外にそうでもない。サプリメントのビタミンCの原料はじゃがいも。当初発表されたホウレンソウの鉄分値は小数点を打ち間違えていた。2011/03/14

いなお

1
植物史とはあるがそんなに学術的ではなく、エッセイのような文章で、ほのぼのとした本だった。2015/10/29

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