新潮選書
クローン人間

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  • サイズ B6判/ページ数 193p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784106035227
  • NDC分類 467.2
  • Cコード C0345

内容説明

技術の問題はクリアした。残る難題は「倫理」のみだ。しかし、その「神の領域」を侵そうとする医師が現れた。イタリアの医師が、クローン人間の誕生を予告したのだ。人類は、遂に生命の神秘にメスを入れ、「クローン人間元年」を迎えようとしているのか。私たちはどう対応していけばいいのか。そもそも、クローンとは何なのか。詳細な解説による、最先端科学リポート。

目次

序章 クローン人間誕生?
第1章 クローン人間づくりは悪魔の所作か―いつの日かあなたも当事者になるかもしれない
第2章 奇蹟の羊―クローン羊ドリーを巡る狂騒曲
第3章 生殖技術の現在―不妊治療はここまで来ている
第4章 治療用クローニングと生殖クローニング―クローン技術で何が可能になるのか
第5章 クローン生物‐SFから現実へ―各国はどう対処しようとしているのか
第6章 「自己決定する市民」と生命科学―「個人の自由」、「研究の自由」、「経済活動の自由」を巡って
終章 クローン人間のゆくえ

著者等紹介

響堂新[キョウドウシン]
1960年岡山県生まれ。岡山大学医学部卒業。大阪大学で分子生物学、ウイルス学の研究に従事した後、1994年より検疫官として関西国際空港に勤務。1999年、『紫の悪魔』で作家デビュー。医学および生命科学に関する専門知識を生かした、迫真の作品世界に定評がある。現在は検疫官を辞め、文筆業に専念
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感想・レビュー

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パトラッシュ

36
iPS細胞に続いてゲノム編集技術にノーベル賞が贈られる時代、もはやクローンは時代遅れなのかもしれないが「ドリー」誕生の報道には驚いた。まだ影響力のあった雑誌やテレビ等で特集が組まれ、規制法制定まで世を騒がせた。カズオ・イシグロの『わたしを離さないで』は、まさにあの頃だからこそ書かれた作品だ。当時の最先端技術解説書として出た本は、もはや歴史書になっている。こうした神の領域を侵す科学技術の発展は、デジタル化の進行を併せて人類の安定感を掘り崩し、ポピュリズム政治を招くきっかけになったと思えてしまうのは私だけか。2020/10/09

マイケル

8
クローン生物の作り方とクローン人間をめぐる問題点・議論が書かれた生命科学の本だが、著者が小説家のため比較的読みやすく刺激的で面白い。1996年のクローン羊ドリー、クローン牛、クローンマウスなどを経ていよいよクローン人間も可能な所まで来て法律での規制が必要な事態。しかし、移植用臓器などクローン技術を使う治療用途、第3者によらない生殖用途など比較的受け入れられ易い所からクローン人間誕生にまで進むのではという懸念。2003年における最先端リポートなので今はさらに技術が進んでいるのだろう。科学者の倫理感に期待。2021/01/12

ブルーローズ

1
入門的。ドリーの死の前に出されている。2010/06/15

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