内容説明
この半世紀の間に、生物学は大きな変容を遂げた。著者は、この時代を、研究の現場で送り、その歴史的変容を当事者として観察し、体験できるという幸運に遭遇した。この幸運を科学者以外の人々と共有すべく、自らの学問上の推移と個人的エピソードを変容する生物学に投影させつつ記している。科学者といえども、その旅程は、より大きな時代の流れの中での科学の変転とも、個人的感性の変化とも、無関係ではないのだ。
目次
第1部 生物学事始め(キーワードは「文明開化」;古い商家のこぼんさん ほか)
第2部 形づくりに魅せられて(最後の生気論は発生研究から;なぜ発生学であったか ほか)
第3部 生きた細胞の発見(私誌の変態期;イモリの腫瘍―今もユニークな研究テーマ ほか)
第4部 生物学の変遷をふりかえる(生物多様性(再)登場
モデル生物だけには頼れない? ほか)