内容説明
賢帝にして恐怖政治家、敬虔な正教徒にして稀代の残虐者、教養人にして野卑な人物…。16世紀のロシアに君臨した男の謎に満ちた生涯に迫る。
目次
序章 1947年・クレムリン
第1章 書庫伝説
第2章 聖ヴァシリーの堂
第3章 世紀の往復書簡
第4章 非常大権
第5章 セーヴェルの森と白い海
終章 歌劇『ボリス・ゴドゥノフ』
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
中島直人
2
キワモノ的に扱われることの多いイヴァン雷帝の伝記。時代背景からの特殊性を鑑みれば、何とか君主としての役割を果たそうとした、信心深く真面目な教養人であるロシア人の姿が見えてきた気がする。2013/06/30
鏡裕之
0
暴君、残虐な独裁者として描かれることの多いロシア皇帝、イヴァン4世。彼の生涯をコンパクトにまとめた、とてもよい入門書。2016/01/16
陽香
0
19900530
mahiro
0
イヴァン雷帝とロマノフ王朝は血統が繋がってない事を知らなかった。雷帝の狂気、暗さ、力は、ドフトエフスキーなどに流れるスラブ的気質と言っていいのだろうか。2010/06/13
ottohseijin
0
ロシアの領土を拡張もしたけど、大勢の貴族を粛清したりして、人材の枯渇や国内の疲弊を招いた。処刑・拷問が大好きだけど、罪悪感を感じて神にすがりついたりと、ちょっとそばにはいて欲しくない人物。スターリンがヘタレと評したのもうなづける。織田信長と同時代というのも面白い。2009/09/02