内容説明
ラッセル、ケインズ、ヴァージニア・ウルフ…。東洋へ熱い視線を向けはじめた彼らブルムズベリー・グループの風を受け、時代の変り目に日本文学の価値を世界に問うた男の生涯。
目次
第1章 アルバトロスの翼
第2章 ミューズと牛
第3章 東方の扉
第4章 眠れる森の美女
第5章 漆の木陰
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
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4
ウェイリー訳の『源氏物語』第1巻が出たのが1925年。それまで末松謙證訳があったが全54帖のうち17帖までしかなかった。出版当時、タイムス文芸付録に「日本の一大傑作」と賞賛されたという。ニューヨーク・タイムズにも「疑いなく最大級の文学」と激賞される。正宗白鳥は「我ながら不思議に堪えないのは、ウェレー氏の"The Tale of Genji"が面白く、紫式部の『源氏物語』が相変わらず左程面白く思われないことである」というコメントを残している。ただ本人は自分の訳文でいちばん良かったのは枕草子だと答えたという。2012/12/30