内容説明
1862年、38人のサムライは初めて汽車に乗り、花の都パリに向った。仏英蘭露など6ヵ国と外交交渉に臨み、近代化の実態を探索する竹内下野守使節団一行の1年におよぶ巡歴を克明に再現。
目次
第1章 渡航
第2章 フランス入り
第3章 イギリスへ
第4章 オランダ滞在記
第5章 プロシア(ベルリン)
第6章 ロシア(ペテルブルグ)
第7章 最終訪問国ポルトガル
第8章 帰航
第9章 使節の歴史的評価
感想・レビュー
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きさらぎ
5
幕末の遣外使節としては万延元年の遣米使節についで二回目、遣欧使節としては初となるの竹内使節団によるヨーロッパ歴訪の記録。諭吉の「西航記」、福地の「懐往事談」、杉孫七郎の漢詩や、現地の新聞記事や現地で交わされた書簡などを引用しつつ時系列に記述する。各国の歓迎の違いや歓待費用、事物や旅程などは興味深いが、正直資料としてはともかく読み物として通読するのはしんどいな、という印象だったのでさらっと読んだ。巻末に使節団の経歴とその後がまとめられているが、これうまく冒頭に持ってきた方が構成上よかったのでは?と思った。2018/07/08