感想・レビュー
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韓信
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東洋史関係の学術エッセイ。岩村忍なので遊牧民ネタが多いが、18世紀フランスのシノワリズムなど東西交渉への造詣の深さもうかがえる。とくにシノワリズム盛んな時期における東洋停滞論のはしりともいえるディドロの中国観は興味深い。その他、三度目の元寇中止の一因としてインフレを指摘したり、漢籍中の「紫髯」の由来を遊牧民の髭を染める習俗に求めたりと、当否はともかく面白い話題がちらほら。あとタシュケントはトルコ語で「石の場所」だから漢籍では石国なのね。ソグドかじってたのにいまさら知りました。2013/01/15