侍女の物語

侍女の物語

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  • サイズ B6判/ページ数 338p/高さ 20X15cm
  • 商品コード 9784105225018
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

内容説明

儀式の夜、侍女は仰向けにされて司令官を待った。その精液を受け、妊娠を待った。ただそれだけのために、男に仕えるために。そして、なにもかもが女性たちから奪われた。自由、それはいったい、どんな味がしたのだろう―。恋愛も読書も、仕事や家族やお喋りも、自由の思い出は、すべて夜の眠りの中にしまいこまれた。だが、ヒロインに、小さな希望、壁に囲まれた町から脱出する微かな兆しが…。数々の文学賞に輝いた、衝撃の全米ベストセラー待望の完全翻訳版。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

はまだ

37
「原書で読んでいないのではっきりしたことは言えないが、」と言えば、原書を読めるけど、まぁ翻訳で読んでみました感が出て、とてもいいです。この場合、本当に読める人もいますが、そうじゃない人もいるので、そいつは手を上げろ! すごい小説を読んだ。文章は理知的で端正。物語は、SFの類の設定なのに現実感がある。この物語世界では、色々な人が、大変に人間らしい。スリリングでもある。すごいなこれは。読むのに時間がかかるけど、女性はもちろん、男性にもオススメ。最後まで引き込まれて離さない。はい!☆52017/12/06

おりん

35
面白かった。良作。武力による革命が起こり、全体主義に染まったアメリカを舞台にしたディストピア小説。1984年を想起させる内容だが、あちらの方が怖くてショッキング。こちらはまだ救いがある(かもしれない)ラストなので読後感は1984年に比べるとマシ。だがその分パンチは弱くなっている。引き離された主人公の娘への母性愛や若干感情過多なところは1984年と違った本書の特徴かなと。いずれにせよ、面白く読めました。その一方で1984年は偉大だなと思わされる本でもありました。2018/09/11

ネギっ子gen

26
取っつきにくいタイプの小説がある。高校生の時にチャレンジした世界文学全集の多くは、正にそれ。2段組3段組で活字がびっしりきて、一言で言えば難物。それでも、教養主義で毒されていたので苦行的に読破していくと、『カラ兄』や『ジャン・クリストフ』のように熱狂出来た本の出会いもあった。本著を手にした時そんな感慨を催すほど、2段組で細かい活字がびっしり。女性版『1984』と評されるディストピア小説。わたしの好みとして、もう少し聖書の記述が欲しかったが、でも、<信仰などというのは刺繡された言葉にすぎない>のだから……⇒2020/11/22

星落秋風五丈原

23
【ガーディアン必読1000冊】聖書の教えを忠実に守るギレアデ政権が支配する社会に。そこは女性からはあらゆる権利が剥奪され、子供を生むための道具としてしか見なされなくなった社会。主人公で語り手である33才の女性は、妊娠可能な子宮を持った侍女として司令官の家庭に派遣されている。侍女は環境汚染やエイズによって出生率が異常に低下した社会であるために子供を持つ資格があるのに子供がない高官の所に代理母となるべく送られる。そして儀式の夜がやって来る。2005/09/16

ykshzk(虎猫図案房)

19
上層部にいる人が、何人以上産むべきだとか、生産性がどうとかと発言している国に住む女性として、この話は笑えない冗談だった。これを政治家に読ませたら、少子化ストップに合理的なシステムだねと思う人だってゼロではないかもしれない。話の設定自体は確かに、1984の女性版と評されるとおりだが、その歪んだ世界に住み、生殖行動をさせられているのは、何百年と変わらない普通の情緒を保ったままの男女達。だから女性の心理描写が読んでいて辛い。いっそ心も進化を遂げてしまい、ハクスリーの「素晴らしい新世界」のようになるほうがマシだ。2019/06/03

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