内容説明
昭和初年、文士と出版者として苦楽を共にし、以来、五十年余におよんだ親交の折節を追懐しつつ、人間・小林秀雄の尽きせぬ魅力を、生き生きと浮彫りにする。
目次
小林秀雄さんの墓
小林さんとのオツキアイ
「文学界」の頃
小林秀雄と「文学界」
小林秀雄の「中原中也の思ひ出」について
ある回想―小林秀雄と河上徹太郎
小林秀雄と青山二郎―その心のドラマ
高級な友情の表現―小林秀雄が青山二郎に送った手紙
小林さんとの飲み食い五十年
文士と酒
小林秀雄カラミ道場
忘れ物の名人・小林秀雄
同姓同名
小林秀雄服装考
赤絵の小壺
壺と甕と文士と
著者等紹介
野々上慶一[ノノガミケイイチ]
明治42年(1909)下関生。昭和6年(1931)、本郷東大前に小さな古本屋、文圃堂書店を開業。ほどなく出版にも手を染め(中原中也『山羊の歌』や最初の『宮沢賢治全集』は文圃堂の発行)、昭和9年、小林秀雄の懇請を受け、第二次「文学界」誌の発行元となる。昭和11年に文圃堂を閉め、実業の世界に転じて後も、小林をはじめ林房雄、吉田健一、永井龍男ら、数多くの「文士」たちとの親交は深まり、とりわけ小林秀雄との「オツキアイ」は、その死まで、50年余におよぶ。古美術に関する著書もあり
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