この人の閾(いき)

この人の閾(いき)

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  • サイズ B6判/ページ数 209p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784103982029
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

芥川賞受賞作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

tototousenn@超多忙につき、読書冬眠中。

18
☆5.0 「これが芥川賞受賞作品ってものなんだ」脳内が大量に溢れ出たドーパミンで満たされていくこの快感。これを求めていたんだ。 芥川賞受賞の表題作「この人の閾(いき)」他3篇を収録。2020/10/24

Kenji Iwata

7
著者の「小説の自由」「書きあぐねている人のための小説入門」が面白かったのでブックオフにて購入。七〇〇円。小説論には何故こうなったかの説明があり解説本のような面白さがあるが、実際の小説には当然そんな説明はなく、基本ストーリーを追う小説ではないので、歯車がひとつずれると展開が単調になってしまう。これは書き手の問題ではなく、読み手の技量の問題だと思うが、この何もないところが僕の好きな部分であるから、何度か歯車を外しそうになっても立て直すところにこの小説の面白さがあると思う。とにかくこういうダラダラしたのは好き。2012/08/15

HaruNii

6
図書館の芥川賞受賞作コーナに並んでいた一冊。 主人公と真紀さんとの会話がゆったりと文体で語られる。 読んでいて心地よい部分もあるが、私には合わなくて物足りない。 2016/01/26

かめすけ

5
芥川賞受賞作を読みたく読了。以前著者のエッセイをパラパラ読んでおり、そこに書いてあった著者の精神が、4つの物語の中に潜んでいた。どの作品も具体的な地名・固有名詞を舞台にし、登場人物の会話の中で生まれるリアリティをありありと感じられた。P94「『生』などという言葉を使った途端うやむやになってしまうものがあって、ぼくの考えるリアリティというのはそういうもので、毎日同じことを繰り返すというその確認作業のようなものの中にしかないリアリティというものがある」P207「なんかさあ、『夢のあとみたい』とか言っちゃうと→2022/09/23

ころっぷ

4
そこで交わされた会話とも、そこで見られる風景とも、関係ない様な隠れた物語を深読みさせる不思議な文体。何も起こらない日常など存在せず、普段気にもせず意識もせずにいた生活の片隅にこそ人間の業が滲み出てくるものなのかも知れない。変わりゆく街の風景と、過ぎ去っていくからこそ、強烈に人の心に残る残像の様なものが、ページを捲っていく度に、澱の様に底に溜まっていく。思索のループが心地好く腹に収まる感覚。面白い。2015/09/11

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