内容説明
日本史上、もっとも有名で謎の多い天皇―極東の小国を勃興へと導き、欧米列強に比肩する近代国家に押し上げた果断な指導者の実像を、日本研究の第一人者が詳細に描く記念碑的大作。
目次
孝明天皇
祐宮誕生
開国必至
タウンゼント・ハリス
不忠之輩
与仁、履仁、睦仁
皇女和宮
「征夷大将軍!」
蛤御門
天皇呪詛〔ほか〕
著者等紹介
キーン,ドナルド[キーン,ドナルド][Keene,Donald]
1922年ニューヨーク生れ。コロンビア大学、同大学院、ケンブリッジ大学を経て、53年に京都大学大学院に留学。現在コロンビア大学名誉教授、アメリカ・アカデミー会員、日本学士院客員。日本文学、日本文化の研究とその海外への紹介に対し、勲二等旭日重光章、菊池寛賞、読売文学賞、日本文学大賞、全米文芸評論家賞などを受賞
角地幸男[カクチユキオ]
1948年東京生れ。早稲田大学仏文科卒。ジャパンタイムズ編集局勤務を経て、現在城西大学女子短期大学部助教授
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感想・レビュー
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めっかち
3
まず、上下巻の総評。明治天皇の評伝としては88点、明治史としては68点。明治史として評価が低いのは些かならずも反日的な部分があるから。でもこれ、キーンさんの歴史観というより、依拠してる日本の研究書に問題がありそう。で、上巻だが、序盤は孝明天皇の話。若き日の明治天皇が興味深い。先に「反日的」と書いたが、上巻にそのようそはほぼ皆無。むしろ蜷川新の悪意ある表現の間違いを指摘してすらいる。上巻の最後は植木枝盛の話。植木は横山又吉によると、晩年は発狂して自分を天子に思い込んでた、と。植木枝盛の正体見たり!2023/01/04
春猫
2
天皇機関説について調べている。 明治天皇の父についても三十五才で突然死するまでを詳しく描いている。 伊藤博文の天皇制に関する考えも記録されている。 章だてが細かいので読みやすかった。2013/06/08