内容説明
スーダン中部で、文明から隔絶された昔ながらの暮らしをいまもつづける、“ヌバ”と呼ばれる人びと。白人女性として初めて彼らのもとを訪れた世界的映像作家レニ・リーフェンシュタールは、その魅力の虜となり、ヌバたちと寝起きをともにした。文明の波に押し流され、滅び去ろうとするヌバの文化と日常のすべてを限りない愛情をもって記録した、感動のフォト・ルポルタージュ。
目次
第1章 ヌバとの出会い
第2章 マサキン・キサール
第3章 収穫
第4章 ゼリベ
第5章 レスリング
第6章 鎮魂歌
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちゃりんこママ
42
アフリカの美しい肉体を持つヌバ族の写真集と7年間の観察録。’87年発刊された頃に購入して読み、魅了された。撮影と記録はそれより20年前と思われるが、古臭さを感じない。当時はデジタルは無いのだから、撮影の手腕も大したものだ。 ほぼ裸族で全身剃毛し、瘢痕模様を付けビーズで飾るのはおしゃれの目的以外に友情や信仰を表わすと詳細な画像もある。再読しようとこの本を探すまで、情けない事に私はこの写真家のリーフェンシュタールがどんな人だか知らなかったので、二重のショックを受けている。2014/10/09
ちゃりんこママ
37
他のサイトで「ヌバ族はタイトル通りいなくなった」とのレビューを読んで、そのままコメントしてしまいました。ちゃんと検索したら、民族紛争でもっと悲惨な状況になってました。息が詰まりそうです。http://www.bllackz.com/2012/07/blog-post.html 2014/10/10
allite510@Lamb & Wool
5
再読。レニはこの取材をしたとき60歳だったというのが凄い。しかも確か80の時には、年齢を偽って(!)ダイビング資格を取得していたと記憶している。カッコイイ女性である。カッコイイで済ませては失礼に過ぎる気もするが。ヌバの居住地はスーダンと南スーダンの狭間。彼らヌバたちは今、各国の石油利権の争いの狭間で、あまり知られずに虐殺され続けていると聞く。2016/10/12
けいしゅう
1
中央スーダン、コルドファン州に暮らす人々を記録したフォト・ルポルタージュ。ヌバ。その文明から隔絶された生活は、伝統的な精神文化に支えられている。彼らは灰や牛を神聖視する。宗教儀礼には必ず身に灰を纏い、カドゥマと呼ばれるレスラーたちが牛の化身として最もヌバ達の尊敬を集める。最強のカドゥマの一人グアの威厳ある姿は美しく、神秘的ですらあった。リーフェンシュタール女史と共にヌバ達の陽気さと力強さに魅了されながら、一時の旅を楽しめる一冊。なお、60年代の文明化以前の彼らの姿を今に伝える貴重な資料でもある。2017/12/12
rooneytom
1
あんまり知られてない新潮文庫版。新潟市東区のブックスバザールにて。2015/06/04