新潮文庫<br> ウンベルト・エーコの文体練習

新潮文庫
ウンベルト・エーコの文体練習

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  • サイズ 文庫判/ページ数 215p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784102216217
  • NDC分類 974
  • Cコード C0197

内容説明

現代の百科全書派、厳格なリアリズムに裏打ちされた記号論学者にして、下世話にも通じたユーモラスなご仁。あのエーコ氏が、古今の名作傑作を素材に料理の腕をふるった。そう。読みこみ読み解いた作品を、数々のパロディーに変身させちゃったのだ。で、何が原作かすぐに分った人もまるで分らないあなたも、読めば抱腹絶倒、読者参加型の楽しい遊び心いっぱい!言葉の大遊園地本日開園。

目次

アメリカ発見
ノニータ
もうひとつの至高天
物体
新入り猫の素描
息子への手紙
フランティ礼讃
あなたも映画を作ってみませんか
芸術マンゾーニの肖像の再浮上による反復行為の散策のための彼の虚構化をめぐる小生の分析
ポー川流域社会における工業と性的抑圧〔ほか〕

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

373
13の掌編からなる作品集。いずれも、いかにもウンベルト・エーコらしいと言えばそうなのだろうが、正直なところエーコのたくらみの所在が把握できず、これらをどんな風に楽しんでいいものやらわからなかった。しいて言えば、「ポー川流域社会における工業と性的抑圧」が、レヴィ=ストロースの『野生の思考』をはじめとした一連の構造人類学の逆の側からの、まさに構造主義的なアプローチであることに、なんとかついていけたかという体たらく。必ずしも難解というわけでもなさそうだが、これを楽しめるだけの力量が自分にはなかったということか。2018/10/31

sin

71
くどい。博識で天邪鬼な文学オタクの世迷いごと…などと貶すだけの知識を持ち合わせてはいないものの、偏見に対する揶揄、一般論に対する逆説等、表現したいことへの悪ノリがいささか度を越してくどいと感じ取れてしまうのは如何ともしがたい。しかし、それというのも読者としての自分がユーモアーを理解しない国民性を体現しているせいなのか?それとも、先に述べた如く著者の着想に共感する知識を持ち合わせていないからだろうか?何はともあれ本邦のアニオタ級の知識人であることは間違いない。2017/09/07

absinthe

27
absintheは理系で、文学とは全くなじみが無いが、記号論は計算機科学と接点を持つ。本書は著者エーコの遊び心たっぷりの本。全部の元ネタまでは解らなかったが、パロディは面白かった。

Koji Eguchi

27
何度もくじけそうになったが、やっと読み終えた。一語ずつ理解しようとしても、頭に入ってこなかったが、そのうちにさらさらっと読めばいいことに気づいた。主題は逆転とパロディー。アメリカ発見と帝国の地図は発想のおかしさで読めたが、それ以外は著者は遊んでいるのかもしれないが、こちらは砂を噛んでいるようだった。これが前衛と言うものかと。しかしこのような本を書く人や訳す人の頭の中はどんな構造なのか、覗いてみたい。2016/04/28

還暦院erk

13
図書館本。岩波文庫『クオーレ』解説に出てきて気になった文芸評論(?)「フランティ礼賛」を読みたくて借りた。一応他の作品群も通読したが難易度高かった…精読したのに分からないままってのもあった(涙)。イタリアの高級紙幣を「書評」の対象にするとか「1分の1」の帝国地図を作ったらどうなるかとか、発想がとにかく凄い。そして表紙イラストのエーコさん、ちょっと素敵♡。有名な『薔薇の名前』は未読だけどストーリーはネタバレあっちこっちでされていて知ってたりする…読んでみようかな真面目に。2019/12/17

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