内容説明
ネヴァダ州の砂漠を突っきるハイウェイ50。一人の警官が、通りがかる人々を次々と拉致していた。彼らが幽閉されたのは、デスペレーションという名の寂れた鉱山町。しかも、町の住民はこの警官の手で皆殺しにされていた。妹を目前で殺された少年デヴィッドは、神への祈りを武器に、囚われの人々を救おうとするが…善と悪、生命と愛という荘厳なテーマに挑む、キング畢生の大作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Tetchy
120
ネヴァダ州の砂漠にある小さな鉱山町デスペレーション。チャイナ・ピットと呼ばれる米国最大の露天掘りの銅鉱山の町。その町の狂える警官によって狩られる旅行者たちの物語。よく田舎の町ほど恐ろしいところはないという。なぜなら田舎には町を牛耳る権力者がいれば、その者がその町の秩序であり、法となり全てを思いのままに支配することが出来るからだ。つまり世間一般の常識が通用しなくなる。そしてこの町では悪徳警官コリー・エントラジアンこそが法である。しかし物語は悪徳警官物から異形なる者のホラーへ変わっていく意外な展開を見せる。2022/03/30
nuit@積読消化中
61
【日本の夏は、やっぱり怪談2023年】〈其の三・和洋折衷編〉参加中です。積読本消化月間。積読してたキング作品を引っ張り出して読み始め…ひゃー!やっぱりキングって面白い!最高です。登場人物一人ひとりの描き方がうまくてぐんぐん読ませますね〜。怖い警官に神童も登場。盛り上がってこのまま下巻へ続きます!2023/08/09
goro@80.7
51
もうね、身に覚えのない麻薬所持で有無を言わせずパトカーに乗せられるとこからキング全開です。キングの場合は自分の身に起こったかのような気にさせる怖さでしょうか。「デスペーションへようこそ」と下巻へ。2023/09/21
志田健治
20
最高です!面白すぎます!さすがキングさん!「不眠症」や「ローズ・マダー」など、若干変化球気味な作品が続いていましたが、ここで本領発揮という感じです。とにかくキャラが秀逸。デヴィッドくん最高です。彼のパートはすごすぎてニヤニヤしながら読みました。そして何と言ってもシンシア!ローズマダーのお気に入りキャラの登場で大興奮!ガートも出ればなぁ。でもガートが出たら物語は一気に解決しそう(笑)シンシアは主役級のキャラですよ。妙に可愛いんですよね。シンシア萌えです。言葉選びとかたまりません。魅力的ですなあ、シンシア!2016/09/26
言言
13
あー、恐ろしい。いかれ警官、エントラジアンが中盤から終盤にかけて全くといっていいほど出てこなくるけど、序盤に嫌になるぐらいの恐怖を植え付けられているので、読んでていても、いつあいつが出てくるのかとヒヤヒヤものでした。下巻でどうなるかわからないけど、マリンヴェル辺りが裏切りそうな気もするし、また違った恐怖の物語が始まるような気もするし、とにかく面白いです。2016/11/10