新潮文庫<br> チップス先生さようなら (改版)

新潮文庫
チップス先生さようなら (改版)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 119p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784102062012
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

NAO

88
【「男祭り週間」参加】再読。チップス先生は、厳格でありながらもユーモアに満ち、生徒たちへの愛情に満ち溢れる、イギリスのパブリック・スクールの教師の代表ともいえる人物だ。その教師生活の中では、時代を表す事件も語られている。あるときは、タイタニック号に乗っていた生徒の父親が無事救助されている。第一次世界大戦中には、チップスはかつて同僚だったドイツ人教師が西部戦線で亡くなったのを悼んでいる。大きく時代が動く中で、一見堅物に見えるチップスがリベラルな言動をみせるのは、亡き妻の影響なのだろう。2020/05/27

へくとぱすかる

84
走馬灯、否、やっぱり自転車だ。作者が自転車に乗っていて、アイディアがひらめいたという伝説を尊重したい。優秀ではないが、生徒に慕われた長い長い教師生活。学校とともに歩み過ごした日々を、詩のように、歌うように回想する文章は、まさに自転車のスピード感覚にふさわしい。わずか二年間の結婚生活、妻子との死別の思い出は美しくも悲しいが、チップス先生の人生は幸せだった。2016/04/10

扉のこちら側

81
初読。2014年299冊め。タイトルがもう感動するよ、と囁いている。出勤中に読了したが、回れ右して帰って再読したくなった。伝統校の歴史そのものの老チップス先生は、隠居した学校隣の家に集う学生達の姿に過去を回想する。【新潮文庫夏のキャンペーン1961】2014/04/09

bookkeeper

80
★★★★★ 再読。イギリスの全寮制学校ブルックフィールドの名物教室であるチップス先生。第一次世界大戦勃発の前年(1913)に定年を迎えているというのだから、これはもう年季がはいっています。もはや学校の歴史そのものと言っても過言ではない彼の心温まる生涯。  かつて受け持った生徒の孫をまた受け持ち、気の利いた洒落は人を惹きつけて止まない。愛する妻を憶えている人もほとんど居なくなり、思い出に残る子達にも先立たれた。人生の懐古に浸る万感の想いが沁みます。100Pちょいの短さながら、実に…あーム…素敵な本でしたよ。2021/03/11

nakanaka

69
イギリスにある男子の寄宿学校を舞台にしたある名物先生の物語。非常に保守的で規律を重んじていた中年教師チップスが若いキャサリンと出会い結婚したことによる好転、妻子との死別、退職、再登板、世界大戦など淡々とではありますが彼の人生が温かみをもって描かれています。彼の結婚生活があまりに短いことに切ない想いもありましたが、教師に人生を捧げた彼だからこその「多くの息子がいる」という最期の言葉に救われた気がしました。物語としては短い作品ですがとても感動できる素晴らしい名作だと感じました。2021/12/06

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