内容説明
髪の艶と柔らかさが自慢の津加子。６歳年上の夫は４度目の浮気が進行中だ。彼女は同窓会で再会した辻沢と、月に２、３度は逢いながら、体の関係もなく、ただ別れぎわ、辻沢が彼女の髪に触れるだけという関係を続けてきた。辻沢と旅にでた鄙びた温泉宿で夜中に二つに割れた櫛。この櫛に津加子は２人の関係の終わりを痛いほど感じとっていた…。１４編収録のオリジナル短編集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
39
これも前に読んだものと同じような大人の恋愛ものです。不倫という観点でのものが多く昔はよくこのようなものを読んでいたなあ、というのが読み返してみて感じるところです。14編の短編集ですが、やはり起伏がうまく使い分けられている気がします。ドラマ向きですね。2015/04/06
mnagami
2
地味で比較的暗めだったり穏やかな話が多い短編集。映像化するにも話に起伏がなさすぎ、でもそれなりの味がある作品が多かった2017/01/05
harukawani
2
14編の恋愛掌編。同じような非ミステリー系の話が続くので読み手は選ぶかもしれないけれど、こっち系統の連城さんも安定感抜群だよなぁ、と改めて感心。飛び抜けたものはない代わりに、ハズレもない。その分、ちょっと印象は薄いかな。相変わらずの美文には惚れ惚れするけど。各短編の好き嫌いは、人によって分かれるだろうと思う。個人的には「娘」「葉陰」「昔話」が好き。2015/08/06
Jimmy
2
傑作です！どうしてこんな全然有名でもない短編集にすごいヤツがぎっしり詰まっているんだろう。特に「娘」がおすすめです。まるでネガポジが一瞬で反転するように、人生の悔恨が希望に反転する、その瞬間はまさに「ロジックではなくマジック！」（丸Cマーク有栖川有栖）。どうも他の作家とは役者が違うとしか言いようがありません。2007/03/03
赤いきのみ
1
浮気をテーマに大人の恋愛を描く。恋愛小説って短編だと男女二人だけの話になりやすいけど、連城さんはうまく人を巻き込んでる。ひとつひとつはいい短編なんだけど、一気に読むとあきるかも2014/12/10
