新潮文庫<br> 夜よ鼠たちのために

新潮文庫
夜よ鼠たちのために

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  • サイズ 文庫判/ページ数 290p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784101405025
  • NDC分類 913.6

内容説明

脅泊電話に呼び出されて出かけた総合病院の院長が殺され、続いて、同じ病院の内科部長の死体が発見された。見つかった二人の死体は、首に針金を二重に巻きつけられ、白衣を着せられていた。何故二人がこんな姿で殺されたのか?そして、「妻の復讐のために殺した」という犯人の電話の意味は?執拗な復讐者の姿を追う表題作ほか、人間の心の奥に潜む闇を描くサスペンス6編。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Satomi

44
30年も前の作品でありながら今読んでも色褪せない、読メ登録をしていなかったら出逢えなかった一冊♪騙し、騙され、裏切り、裏切られ…。短編ならではの読みやすさでありながら、短編とは思えない濃厚な男女の駆け引き、化かしあいが圧巻。まさしく珠玉!!!!2015/03/12

三平

15
著者の特徴の一つである叙情味の部分は他の作品に比べると物足りなさを感じるが、何重にも罠を仕掛けるトリックの凄さは相変わらずのミステリ短編集。 夫側から依頼されている妻の浮気調査中の男があるきっかけで妻からも浮気調査を依頼される『奇妙な依頼』、想像していた事件の全容をひっくり返される表題作が特に秀逸。見事に騙される快感が味わえる本格ミステリだった。連城三紀彦凄いや…。2016/03/26

橙夜(とうや)📚

14
【図書館】読友さんのレビューで気になった作家さん。おススメしてもらった1冊読了。何故かわからないけど時代劇小説書いてる方と勝手に思ってました?本作は短編集ですが、どれも最後の展開に驚かされます。どんでん返しは中山七里さんと似てるけど、短編でここまでの内容書くとはすごい。2018/05/20

有理数

10
やはり連城三紀彦は凄すぎた。そう改めて感じる珠玉の短編集。どのようなコンセプトで一冊に纏められたかはわからないが、どれも高水準にすぎる短編が揃っている。文章に満ち満ちた艶やかな雰囲気は圧倒的、同時にミステリ的な仕掛けも豊富。個人的にベストは表題作で、秀逸な題名と鮮やかなどんでん返しが切なさを誘うとんでもない傑作。また「過去からの声」は誘拐ミステリに超絶的な技巧を仕組んだ作品。手腕の計り知れなさ、その果てしない発想、まさに一流。2014/01/19

ミーナ

8
短編6編。うち既読1編。私には盛り感がくどく感じられることがある作家さん。が、今回は2話目からペースに巻き込まれほぼ一気読み。「過去からの声」が秀逸。「二重生活」もいい。読み始めてから既読であることに気づいた2話目の「過去からの声」は誘拐をテーマにしたミステリーの中で1、2を争うほどの逸品。 3話目の「化石の鍵」は同作者の別の長編の原案だろうか。かぶるからくり。6話目の「二重生活」はくどいが衝撃的。とても連城さんらしい作品。 いずれも雨の降る冬の夜にぴたりとはまる、しっとり昏い昭和の愛憎劇。2015/01/23

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