新潮文庫
鳥人計画

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  • サイズ 文庫判/ページ数 388p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101395210
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

日本ジャンプ界期待のホープが殺された。ほどなく犯人はコーチと判明。一体、彼がどうして。一見、単純に見えた殺人事件の背後に隠された驚くべき「計画」―踏切のタイミング、空中姿勢、風圧、筋力、あらゆる要素を極限まであの男のデータに近づけよ。「計画」は極秘のうちに進行しつつあった…。拘留中の犯人が密告者を推理する、緻密極まる構成の本格スポーツ・ミステリー。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

takaC

57
4、5年前に角川文庫版を読んだだけで単行本は未読なのだけど、どうも新潮文庫と角川文庫の間にも加筆修正があったと思われる。未検証だけど、所々微妙に「あれ、記憶と違うぞ?」という違和感があった。2012/03/11

タツ フカガワ

55
日本のスキージャンプ界のエースが合宿中に毒殺される。犯人は読み始めてしばらくすると判明するものの、捜査陣には殺害の手口や動機がつかめない。やがて捜査はある鳥人計画に行き着く。アリバイ崩しや殺害方法など、凝ったトリックがいっぱいのミステリーで、それだけにちょっと疲れた、というのが率直な感想。最後の最後にどんでん返しが待っていて、ではあの“犯人”はどんな罪で起訴されるのだろう。それがちょっと気にかかる。2022/05/08

再び読書

42
いつもの読ませる彼の作風は感じられない。逆にこの作品が、理系出身の彼らしいのかも知れない。ニッカネンが懐かしく、名前以上に当時の最高峰であったことが窺える。そして、今やジャンプと言えば、ほぼ全員が思い浮かべるV字開脚ジャンプが、まだ出初めだった事に驚きを覚えた。当時は全く想像すら出来ていない事が、今やそれ無しでは、想像すらできない事にまた一つ気づく。録画の出来ない白黒でもあったテレビ。劣化するテープでしか録音出来なかった音楽。家にしか無かったそれもダイヤル式の黒電話。もう絵文字のみ。作品は今一つの感想。2020/06/08

KAKAPO

42
1990年の吉川英治文学新人賞候補になった『鳥人計画』は、私が好きな『ブルータスの心臓/宿命/分身/天空の蜂』に先駆け1989年に刊行された。ここに挙げた作品は、いずれも社会問題に加え登場人物の心理的な葛藤を描き出しているところが好きなのだが、鳥人計画は推理小説的な側面が強く、残念ながら好みではなかった。複数の三人称視点で描かれる物語は、どの視点にも共感しにくく、そのため視点の人物と共に追込まれるようなスリルを感じる事が出来なかったが、著者にとって、この作品が後の大ジャンプへの助走であることは間違いない。2014/11/02

まあこちゃん

38
連日盛り上がりを見せている平昌五輪もいよいよ大詰め!そのタイミングで、楽しみな種目の一つでもあるスキージャンプをテーマにしたミステリーを読んでみた。日本ジャンプ界期待のホープが殺害され、ほどなく犯人はコーチと判明する。彼が殺人を犯した理由、そして背後に隠された事実が明らかになった時、本書のタイトルをじっくりと噛みしめると、背筋が凍る思いだった。ジャンプの発祥がノルウェーで、元々は罪人に罰を与える手段だったという知識は初耳。スポーツを科学で分析する事の凄さと恐さを味わった。ジャンプの見方が変わるかも!?2018/02/22

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